和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」を原作とするミュージカル「るろうに剣心 京都編」の製作発表記者会見が、本日3月29日に東京都内で開催された。
【大きな画像をもっと見る】2020年秋に上演を予定していたものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴い公演中止となっていた「ミュージカル『るろうに剣心 京都編』」。会見には脚本・演出の小池修一郎のほか、緋村剣心役の小池徹平、志々雄真実役の黒羽麻璃央、瀬田宗次郎役の加藤清史郎、相楽左之助役の岐洲匠、神谷薫役の井頭愛海、巻町操役の鈴木梨央、駒形由美役の伶美うらら、斎藤一役の山口馬木也、そして比古清十郎役の加藤和樹が登壇した。
小池徹平扮する剣心による殺陣のパフォーマンスからスタートしたこの日の会見。報道陣から大きな拍手が送られた後、まずは、小池修一郎が話し始める。小池修一郎は原作の「京都編」について「極論を言えば、日本に平和をもたらすための戦いが描かれている」と紹介。続けて「これまで私は、面白い物語やスペクタクルを楽しむ感覚で『るろうに剣心』に触れてきました。しかしここ最近の世界情勢を見ると『和月先生が作品に込めたメッセージは、こうして世界が動いているときに大変な意味を持つのだ』と改めて感じます」と思いを語り、楽しさ、面白さはもちろんだが、心に残る作品になっていると伝えた。
殺陣パフォーマンスのあとに改めて登壇した小池徹平は「ようやく呼吸が落ち着いてきました。小池(修一郎)先生に今『歌って』と言われたら、ケンカになるかも」と冗談を飛ばす。役衣装で集まったキャストを見て「ようやく始まるんだなというワクワクもすごいです」と伝え、「予断を許さない状況ですが、本当にみんなで素晴らしい『るろ剣』を作っていきたいと思っています」と意気込みを語った。また殺陣パフォーマンスについて聞かれると「とても緊張しました!」と話しつつ、「稽古が始まってまだ間もない状況。本番までにはもう少し時間がありますし、もっとクオリティの高いもの、皆さんをワクワクさせるようなものがきっと出来ると思っています」と言葉に力を込めた。
黒羽は「少しでも早くこの包帯の暑さに慣れなくては。衣裳の下が汗でビチョビチョ」と、顔もしっかり見えないほどに全身に包帯を巻いた志々雄の扮装について触れて、記者を笑わせる。黒羽は2020年の中止公演以来「志々雄を演じるのだという心の火は消えず、『いつかやりたい』と思いながら今日まで過ごした」と打ち明け、「音を上げずに最後までがんばります」と力強く述べる。「いちファンとして楽しみにしながら稽古に励んでいます」と話し始めた加藤清史郎は「京都編」の魅力を「たくさんのキャラが剣心と対峙し、意志や正義をぶつけ合って成長するところ」と分析。続けて「僕が演じる宗次郎の成長にぜひ注目して。大きな劇場でしか見られない『るろうに剣心』をお届けできるよう精進します」と真摯に語った。
日々、稽古開始前に、胸筋を鍛えていると言う岐洲は「筋トレで体重を5kg増やしました!」と笑顔を見せる。さらに「今度ぜひ皆さんとも一緒に筋トレしたい」と共演者に視線を送り、「左之助より左之助らしくなれるよう励みます」と抱負を語った。井頭は今回が初舞台、初のミュージカル出演。「ミュージカルを観て『舞台に立ちたい』と思ったことが、芸能界に入るきっかけでした」と出演の喜びをかみ締め、自身が演じる薫については「彼女の強さやかわいらしさ、剣心への思いをうまく表現したい」と意気込んだ。
ミュージカル初挑戦の鈴木は「操と向き合い、日々ステップアップできるようがんばります。楽しみにしていてください」と呼びかける。あでやかな着物姿の伶美は「色っぽいお役なので、緊張感があります(笑)。」と心境を述べ、「妖艶さや一途さを大切に、駒形由美の生き様を表現できれば」と伝えた。山口は岐洲の発言を受け、「反対に、足腰のために体重を2kgほど落とそうかと……」と笑いを誘い、「小池(修一郎)先生を除けば、この中では僕が最年長(笑)。若者の足を引っ張らないよう、千秋楽まで駆け抜けたい」と力強く語った。加藤和樹は比古清十郎について「人は何のために生きて何を残すのか。時代は違えど、それは現代にも通ずる考え方だと思います。比古として剣心に飛天御剣流をしっかり託したいですし、この舞台を次の世に残るような作品にしたい」と意欲を示した。
会見では原作の和月からのメッセージが代読される場面も。和月は打診を受けたときのことを振り返り「原作でも人気の高いパートですが登場人物が多く、場面転換は目まぐるしく、筋書きも複雑で舞台化はちょっと難しいのではないか」と当時の思いを明かし、「しかし、名も実も有る素晴らしい俳優陣とスタッフ、演劇好きの妻がベタ褒めする素晴らしい劇場、3回目とあって益々冴え渡る小池先生の素晴らしい辣腕と、素晴らしいの揃い踏みで今では公演が待ち遠しい限りです」と期待を述べる。最後には「コロナ禍という大困難の中、実現に向けて尽力して下さった関係各位の皆様に心から感謝します。自信を持って御送り出来るエンターテイメント ミュージカル「るろうに剣心 京都編」、感染対策をバッチリきめて是非劇場に御越し下さい」と感謝とファンへのメッセージを送った。
締めの挨拶では小池徹平が「素敵な劇場で上演できる喜びをしっかりかみ締め、皆様に『るろうに剣心』をお届けできるよう励みます。応援よろしくお願いします!」と力強く呼びかけた。公演は5月17日から6月24日までIHIステージアラウンド東京で行われる。
■ 和月伸宏コメント
るろうに剣心の舞台化は宝塚版、前回と続き3回目の今回は満を持しての京都編。
原作でも人気の高いパートですが登場人物が多く、場面転換は目紛るしく、筋書きも複雑で舞台化はちょっと難しいのではないかと打診当初は思いました。
しかし、名も実も有る素晴らしい俳優陣とスタッフ、演劇好きの妻がベタ褒めする素晴らしい劇場、3回目とあって益々冴え渡る小池先生の素晴らしい辣腕と、素晴らしいの揃い踏みで今では公演が待ち遠しい限りです。
コロナ禍という大困難の中、実現に向けて尽力して下さった関係各位の皆様に心から感謝します。
自信を持って御送り出来るエンターテイメント ミュージカル「るろうに剣心 京都編」、感染対策をバッチリきめて是非劇場に御越し下さい。
■ ミュージカル「るろうに剣心 京都編」
日程:2022年5月17日(火)~6月24日(金)
会場:東京都 IHIステージアラウンド東京
原作:「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」和月伸宏(集英社 ジャンプ コミックス刊)
脚本・演出:小池修一郎
音楽:太田健、和田俊輔
出演:小池徹平、黒羽麻璃央、松下優也、加藤清史郎、岐洲匠、奥野壮 / 井頭愛海、鈴木梨央、伶美うらら、山口馬木也、加藤和樹 / 猪塚健太、郷本直也、松浦司、キャッチャー中澤、梶原颯、才川コージ、城妃美伶、阿部裕 / 藍実成、浅川文也、飯作雄太郎、伊藤寛真、鹿糠友和、黒沼亮、笹川慎一朗、寒川祥吾 / 鮫島拓馬、柴原直樹、清水錬、楢原じゅんや、西村聡 / 彩花まり、斎藤葉月、七理ひなの、杉浦小百合、美翔かずき、横関咲栄、吉田繭
(c)和月伸宏/集英社