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ラトバラ代表はチームオーダーに否定的。トヨタでの展開はタイトルが絡む「1年の最後だけ」/WRC

2022年03月29日 17:21  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表
2021年シーズンからTOYOTA GAZOO Racing WRTを率いているヤリ-マティ・ラトバラ代表は、2022年WRC世界ラリー選手権のタイトル争いがクライマックスを迎えるシーズン終了時に、きわめて重要な場面でない限りチームオーダーを発令することはないと述べた。

 フィンランドのユバスキュラに拠点を置くチームは、ラリーウイーク中にドライバーのポジションを入れ替えることに否定的なことで知られているが、昨季の王者であるセバスチャン・オジエと、今季トヨタに復帰したエサペッカ・ラッピがシェアする3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1については疑問が呈された。

 トヨタが2017年にWRC復帰を果たした際のメンバーのひとりだったラッピは、先月の第2戦スウェーデンでトヨタ・ワークスチームに復帰を果たし、ラリー1デビュー戦で総合3位表彰台を獲得した。

 この結果を踏まえて、チームがフルタイムドライバーであるカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)にタイトル獲得のチャンスを与えるため、シーズン後半戦でフィンランド人ドライバーにペースを落とすように指示するのではないか、という疑惑が持ち上がった。

 これに対してラトバラ代表はWRC公式サイト『WRC.com』に次のように語った。

「私がドライバーだったとき、皆さんも知っているかと思うが私はチームオーダーを好んでいなかったし、それは今も変わっていない」

「トヨタチームとしても、オーダーを出すのはあまり好きではない。もし、ラッピがシーズン序盤にリードしていて、彼がチームのためにポイントを稼いでくれるなら、それはさらに重要なことだ」

「仮に彼がエルフィン(・エバンス)やカッレ(・ロバンペラ)の前にいるのなら、私たちは何もする必要はないと思っている。そのような状況でチームオーダーを出したいとは思わない」

「私にとってチームオーダーを使うのは、チャンピオンシップを確保しなければならない1年の最後のためだけなんだ」

 2年続けてドライバーズランキング2位となったエバンスは、厳しいシーズンのスタートを切ったことで現在までの獲得ポイントは4ポイントに留まっている。ランキングリーダーのロバンペラとは42ポイントの差があり、オジエとラッピにも先行を許している。

 一方、マニュラクチャラー選手権では、トヨタは第2戦スウェーデンでロバンペラとラッピがワン・スリー・フィニッシュを達成し、ランキング首位に浮上した。次戦第3戦クロアチアを前にした段階でのリードは24ポイントだ。