2022年F1第2戦サウジアラビアGPレーススタート40分前の午後7時20分、ピットレーン出口がオープンし、各車がダミーグリッドに着くため、ガレージを離れて、レコノサンスラップを開始する。そのまま、グリッドに着きたい場合は最終コーナーを回った後、グリッド最後尾の手前でエンジンを切って、メカニックに押されてグリッドまで運ばれる。もし、もう1周したければ、グリッドへ向かわず、ピットエントリーへ向かい、ピットレーンを制限速度以下で走行し、再びレコノサンスラップを続けてから、グリッドへ向かう。
ポールシッターのセルジオ・ペレス(レッドブル)の前でコースインした角田は、すぐにグリッドに向かわずにピットイン。ピットレーンを通過して、再びコースインした。
しかし、これがこの日、角田の走りを目の前で見た最初で最後となった。2度目のレコノサンスラップ中にトラブルでマシンが止まったからだった。
「2周目のレコノサンスラップ中に、急にエンジンから変な音がして、少し嫌な予感がしていたら、止まりました。何が起きたのかわかりませんが、突然、クルマが完全に止まりました」
土曜日の予選でも角田はマシントラブルで1度もアタックできないまま、最下位に終わった。予選14番手だったミック・シューマッハー(ハース)がQ2でクラッシュしてマシンを大破させてしまったため、日曜日のレースを欠場。角田はひとつポジションを上げて19番手からスタートすることになっていた。しかし、角田がコース脇に止まったため、リタイアするという知らせを聞いたメカニックたちは、角田用にグリッドに搬入していた機材を、慌ただしく撤収させていた。
この日のトラブルで、角田はサウジアラビアGPで3日間連続で走れなくなるという事態に見舞われた。
「トラブル続きの週末となってしまいました。こういうトラブルはチャンピオンシップを戦ううえでなくしていきたいというか、なくしてくれたらなと思います」(角田)
今回サウジアラビアGPで角田が走行できたセッションの合計時間は3時間弱。それはドライバーたちがミサイル攻撃を受けて、生命の危険を感じながらもグランプリを続行すると決めた会合の時間(4時間20分)よりも短かった。
次戦オーストラリアGPまでに原因の究明と対策が急がれる。