アニメ「ソードアート・オンライン」シリーズのステージイベントが、東京・東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2022」内で本日3月27日に行われた。
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2012年のTVアニメ第1期放送開始から、今年で10年を迎える「SAO」シリーズ。10周年企画の始動を告げる本日のステージは、ReoNaによる「forget-me-not」の歌唱で幕を開けた。さらに「何度躓いても傷ついてもそれでも進んでいく、魂の物語」と告げて「ANIMA」へ。「魂の色は何色ですか」という歌詞に合わせて色を変えていく照明に彩られながら、激しくも繊細なボーカルで「SAO」との絆を表現した。
各キャラクターの笑顔をピックアップした映像に合わせ、キリト役の松岡禎丞、アスナ役の戸松遥、アリス役の茅野愛衣、ユージオ役の島崎信長、シリカ役の日高里菜、リズベット役の高垣彩陽が登場。司会はニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが担当した。松岡は開口一番「僕はもう泣きました。最高でした。魂の色がグレーから水色になりました」と、大好きな「ANIMA」のパフォーマンスを間近で観た感想を漏らす。戸松が「私たちはつぐつぐ(松岡)が泣いているのを爆笑しながら見てた(笑)。ちょうど顔がライトで照らされててドラマチックで……」とその様子を明かすと、島崎も「ReoNaさんを育てたプロデューサーみたいだった(笑)」と続ける。早くもキャスト同士の会話が弾む中、茅野は「楽しい時間になる予感しかないです」と挨拶した。
日高は「厳かなちゃんとしたステージすぎてびっくりしてる(笑)」と、10周年記念ロゴで彩られたステージの豪華さに触れる。高垣は「来るときに『ビッグサイトだー!』って写真を撮りまくってしまったくらい、こういうステージが久しぶりで。『SAO』を愛してくださってる皆さんとお会いできてとってもうれしいです」と、会場に集まった多くのファンに笑顔で語りかけた。
ここで本日お披露目となった「アニメ『ソードアート・オンライン』10th Anniversary Project PV」が流れると同時に、10周年記念企画が次々と解禁された。1期からの映像もふんだんに使われたPVを観終えると、まずは思い出話に花を咲かせる。10年前の思い出を聞かれた松岡は「とにかくしゃべらなかったなってことですかね」とコメント。この10年で築いてきたキャスト仲間との関係性に触れ、「やっとみんなと先に進んでる感じがします」と話す松岡を見ながら、松岡と同期で親友同士の島崎は爆笑しながら大きくうなずいていた。
さらに1期から共演している高垣が「自分のほっぺを叩きながら、自分を律してお芝居に向かっている全力の松岡くんを思い出します」と言うと、日高も「最近叩かなくなりましたよね」と続く。すると松岡は「ほかの現場で『怖い現場だと後輩に思われるからやめろ』って言われてやらなくなりました。ゲームの現場だったらやってますよ」と、1人の収録では今も続けていることを明かした。
続々披露されるアフレコエピソードからはいずれも、松岡の演技に取り組む姿勢の真剣さがうかがえる。日高はシリカが本格的に登場する1期4話のアフレコを「緊張感というか、松岡さんの作品やキャラに懸ける思いを当時から感じていました」と振り返り、松岡、戸松と3人で収録したという1期7話について高垣は「作品と、役の心と、画面、ほかの情報が一切ない。すごく濃い収録だった」と語った。一方で「ソードアート・オンライン アリシゼーション -After War-」の思い出に触れる場面では、松岡は「一番すごかったのは高垣さんじゃないですか」とリズの演説シーンを生披露した高垣を称賛。客席からも拍手が起こり、高垣は「みんながずっと褒めてくれてうれしいです」と照れながらも笑顔で応えた。
さらに今秋に公開を控える「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ」の話題も。松岡、戸松はもうアフレコを終えているそうで、「目が追い付かない」と映像を絶賛する。松岡は「戦闘の緊迫感に、『これ勝つのかな?』って思っちゃう」と、先の物語を知っていてもハラハラしてしまうという戦闘シーンのクオリティに触れた。
そしてアニメの中で「ソードアート・オンライン」のサービスが開始した日付である2022年11月6日に、10周年記念イベント「ソードアート・オンライン -フルダイブ-」の開催が決定。すると島崎が「イベントが決まったとき、(松岡から)LINEが来たんですよ。『信長いるから安心できるよ、俺もうなんもしゃべんねえわ!』って。僕てっきり、体調悪いのかと思って心配しちゃって」と驚かされたエピソードを披露する。「信長がいれば全部任せられる」と全幅の信頼を置いている松岡。そんな2人を女性陣は「よかったね」と温かい目で見守っていた。
吉田アナからイベントに希望することを聞かれたキャスト陣。茅野が「朗読はぜひやりたいですね。前回はアスナとの掛け合いが生でできなかったので、アスナともしゃべれるとうれしいです」と述べると、戸松は笑顔とピースで応えた。松岡が「花火打ち上げますか!」と言い出すと、島崎も「打つか、花火! 花火ボーンって打って、シークレットでキバオウとディアベルはんが!」と乗っかる。しかし吉田アナに「叶いそう」と言われると、「叶わない、叶わない!」とすぐさま否定した。島崎はイベントに限らず今後の「SAO」に期待することとして、「なんでも言っていいんですか? 『ユナイタル・リング』を……早すぎる?」とアニメの続きを熱望。客席からも同意の拍手が沸き起こった。
1時間にわたるステージの最後には、キャスト1人ひとりから10周年への思いが語られた。高垣は「AnimeJapan」の場ということで、「何かが好きって思いは言葉や国を越えて、世界をひとつにしてくれるなと思っているので、10周年を地球総出で!思いっきり盛り上げていけたらと思います」と世界に向けてコメント。「これから先も続いたらご長寿アニメみたいになっていくのかな? 楽しみですね。いつまでも元気でリズベットできるようにがんばります!」と意気込むと、日高も「まだまだいろんな展開を見たいと思える『SAO』ですし、松岡くんが『80歳になってもキリトをやる』と言ってますけど、シリカも何十年先も演じたいと思える大好きなキャラクターです」と語った。
島崎も2人の言葉を受け、「こいつ(松岡)が80歳になってもやるっていうから、僕も80歳になっても青薔薇咲かせないとなって思うわけですよ!」と力強いコメント。茅野は「私もおばあちゃんになっても、がんばる。『ありしゅしんしぇししゅしゃーてぃー』って言うかもしれませんけど、そうなろうともアリスを演じ続けたいと思います」と、おばあさん風の演技で名乗ってみせた。
ここまでの挨拶を聞き「『SAO』への愛を感じて、じんと来てしまいました」と切り出した戸松は、「2022年11月6日が、いつかやってくるっていうのはわかってたんですが、アフレコが始まったときは『10年後どうなってるんだろう?』と思っていたのに、現実がそれに追いついたというのが本当に感慨深いです」と思いを語る。そして松岡は「今まで『SAO』に関わらせていただいて、毎回大変だったんですけど、最終回の収録が終わると無性にさみしくなるんですよね。そういうことを繰り返して10年やってきたんですが、まあ今まで通り……という言い方はなんか違うんですよね……なんて言ったらいいんだろう……」としばらく悩んだあと、「今まで通りがんばりますので!」と宣言。すかさず島崎から「違うって言ったじゃん! 『初心を忘れずに』とかじゃないの?」と胸中を言い当てられ、2人の見事な連携に客席からも大きな拍手が贈られた。
※島崎信長の崎は立つ崎が正式表記。
(c)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project