勤務先は東証一部上場の超大企業。年収は1000万円台……にも拘わらず仕事量は少なめ。しかも在宅勤務メインの現在は「昼寝、飲酒、ネットサーフィン、自己学習などで過ごしています」!? キャリコネニュース編集部に、こんな体験談が届いた。ええっと……そんな天国みたいな仕事があるの? と思ったので、この男性(40代前半)にインタビューをして、実際のところを聞いてみた。(取材・文:昼間たかし)
――現在は在宅勤務がメインとのことですが、1日に仕事をされている時間はどのくらいですか?
「1時間程度です。本当にやることがない時は0時間の日もあります」
――在宅勤務中に、仕事をしているかのチェックがあったりはしないんですか?
「勤務時間中チェックはまったくありません。PC操作ログ管理ツールは入っているようですが、もしもチェックしていたら仕事していないのがバレるはずですので、見ていないと思います」
――文字通り「ヌルい」職場だと思うのですが、それは所属部署だけでしょうか。それとも会社全体がそうなのですか?
「全体の社風だと思います。超大企業のため、社員の大半は新卒で入社して大事に育てられた人たちです。いわゆるいい人で世間知らずなタイプが多い印象ですね」
――それでも問題なく勤務できているということは、査定も曖昧なんでしょうか?
「MBO(目標管理制度)はありますが、上司も私がなにをやっているか把握しないため、査定はかなり曖昧です。実際、大したことはやっていないのにA評価でした」
――そんな会社への転職に成功した理由はなんでしょうか?資格か特殊な技能をお持ちなんですか?
「私自身はいわゆるFラン大学出身で転職も複数回。経験業種に一貫性もなかったのですが、実績を買われたのだと感じています」
――ところで、暇な時間の自己学習はどのようなことに取り組まれていますか?
「主にIT系です。資格取得や現在の企業で必要となりそうな技術習得を行っています」
――ほぼ仕事をせずに年収が1000万円台であれば、大抵の人は「ずっとこの会社に勤めたい」と考えるでしょう。今後、転職などは考えていますか?
「もう少し、現在の企業に勤務すると思いますが、転職活動はしています。先月、給与約1.5倍を提示した企業から内定を頂きましたが、お断りしました。美容の会社で伸びている業界なのは事実ですが、個人的にはコンプレックスにつけ込んだ側面のあるビジネスには共感できないと思ったからです」
――現在は「ヒマ」を満喫していらっしゃるわけですが、こういう状況・職種なら時間を惜しんで臨むといった理想型はありますか?
「物事に真剣に取り組み、お客様に対しても真摯に対応する環境・状況であれば、そうすると思います。また、中途採用するのであれば、採用者の培ってきた経験値やポータブルスキルを正確に理解し、マネジメントできる組織であればとも考えています。現在の勤務先では管理職ですが、多くの管理職、役員層も含め、まともな管理職教育を受けていないのではと推察しています。組織文化も含め改革することはとても大変なことですので、そのため少しのんびりとさせてもらってるって感じですね」
なんとも優雅な話だが、さすがに現在のような「天国」がずっと続くとは思っていないのだろう、男性もしっかりと次の一歩を探しているようだった。早めにより良い職場が見つかることを祈っておこう。