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SixTONESが発揮するトーク力とバラエティ経験値の高さ 『バリューの真実』に期待する6人の爆発力

2022年03月26日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

SixTONES

 『バリューの真実』(NHK Eテレ)が、4月5日の放送からレギュラー化が決定。過去4回の放送でMCを務めてきたSixTONESにとって、6人揃ってMCを務める初のレギュラー番組となる。3月23日発売の『NHKウィークリーステラ』(4月1号)ではSixTONESが表紙を飾るなど、早くも番組の顔として活躍を見せている。本稿では過去の放送を踏まえながら、グループのMC、バラエティ力に触れてみたい。


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 10代とその保護者層を中心に、幅広い世代に向けて多様な価値観に迫る番組として、過去4回に渡って放送された『バリューの真実』。「キレイな食べ方」や「ネットトラブル対策」といった身近なテーマを取り上げ、メンバーが出演する再現ドラマや体験を通して情報を届けてきた。10代ならではの価値観に共感、理解を示し、親世代への橋渡しとしても一役買う、20代半ばの彼らならではのポジションが活かされていた。


 SixTONESのMC担当・田中樹が番組全体の進行を支えつつ、髙地優吾や松村北斗が番組を進める場面があったり、ジェシーがリモート参加する高校生たちに積極的に言葉をかけたり。キレイな食べ方に挑戦した京本大我、再現ドラマに出演する森本慎太郎など、様々な役割を担いながらメンバー全員で番組を進行していたのが印象的だ。Eテレならではの落ち着いた雰囲気のなか、SixTONESの明るさとユニークなトークが心地よい。楽曲パフォーマンス時とはまた違った、爽やかで素直な一面が見られるのもこの番組ならでは。


 歌にダンス、演技にトークと、6人全員が多方面で活躍しているSixTONES。ほかにもトーク番組からロケ番組、脱出ゲームなどのハードな挑戦と、バラエティと言えども様々な企画に参加してきた。


 CDデビュー直前、直後はメンバー揃っての出演が目立ったが、次第にソロやペアでの活躍が増えた。楽曲のリリースや番組宣伝はもちろん、バラエティ番組のレギュラー出演など、この一週間を遡っても様々な番組に相次いで出演していた。そこで見せたようにメンバー全員が“喋れる”のも、SixTONESの特徴だ。


 2022年のリーダーを務める髙地優吾は、ジャニーズ入りのきっかけが『スクール革命!』(日本テレビ系)であり、お笑い芸人とジャニーズの先輩に囲まれながら経験を積んできた。最近では温泉ソムリエの資格や趣味のキャンプを活かした企画に出演と、“好き”を武器に活躍の幅を広げている。ゲスト出演時も番組に溶け込むようにして馴染み、尺に合わせたコメント、笑顔を武器に盛り上げるのだが、力み過ぎない積極的な姿勢はバラエティ歴の長い髙地ならでは。


 「ジェシーだけにジェシん(自信)があります!」とギャグを飛ばして笑いをとるジェシー。どの番組でもわずかな尺にギャグを差し込んで番組を明るくするその存在感たるや。番組の司会者もきっとジェシーのギャグを期待していることだろう。3月22日放送『芸能人格付けチェック BASIC~春の3時間スペシャル~』(テレビ朝日系)に髙地とジェシーが揃って出演したが、ひな壇の右奥に座った2人は、若手というポジションを理解したように積極的に番組を盛り上げていた。画面に姿が映っていない場面でも笑い声が聞こえてきたり、引きの映像でも会話に耳を傾けて頷いたり。所々でキャッチーなコメントを放ち、ジェシーの発言がTwitterでトレンド入りしたほど。共演者とエアハイタッチを交わすなど、コミュニケーションも図っていた。


 『ワールド極限ミステリー』(TBS系)では田中がMCを担当したのに続き、2月16日放送回で京本大我がMCに初挑戦。上品で華がある京本ならではの落ち着いた雰囲気で、ハキハキとした聞き取りやすい言葉とトーンで進行していたのが印象的だ。また3月19日放送『ハモネプ!青春アカペラ大学日本一決定戦!熱き戦いに感動の嵐!』(フジテレビ系)では、京本の武器の一つである歌唱力をまた別の角度から活かした。歌声を吸収するかのようにして聴いて目を輝かせたり、歌唱技術に驚いたりしながら、若き学生たちの奮闘に向き合っていた。学生を前にすると“お兄さん”感が出ていたのも微笑ましく、コメントの端々からは自らも歌手だからこそのリスペクトが感じられた。


 前述のように、グループではMCを担当する田中樹。毎週土曜の夜に放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)ではメインMCとして番組を牽引している。その生放送で発揮されるMC力の高さは語るまでもなく、ゲストとしてもトーク力と持ち前のキャラクターを発揮する。1月に『王様のブランチ』(TBS系)の「接待グルメ」企画に出演した際には「子どもの頃からモテていた?」と聞かれると、「はいはい」と即答。「謙遜するのは嫌なんで事実だけを述べます」と気風がいい。自信に溢れたトークの説得力、そして「おぎゃーからいままでずっとモテてます!」と記憶に残るキャッチーなフレーズも飛び出した。言葉のチョイス、コメントのキレのよさからは経験値の高さを感じた。


 MCの印象はないかもしれないが、いざとなれば進行もやってのけるのが森本慎太郎。『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)では“シンタロー”として親しまれ、いまや番組に欠かせない存在だ。昨年の放送では城島茂が仕事で欠席と、TOKIO不在の放送回があったのだが、そこで手腕を発揮。加藤英明准教授と2人で自ら体を動かしてロケを行ったほか、調理中にモザイクが入る場面では絶えず言葉をはさんで実況を行ったり、城島に倣ってダジャレを差し込んだりと、見事な仕事ぶりだった。


 松村北斗も同様に、ゲストとして番組に出演した際には安定したトークを見せる。昨年11月に『土曜スタジオパーク』(NHK総合)に出演した際には、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の役どころ、雉島稔のイメージを損なわないトークを聞かせた。話の組み立て方が見事で、理路整然としつつも滑らか。そしてユーモアも忘れずに盛り込んだ。どこかキリッとした雰囲気がありつつ、爽やかに和やかに。一方で『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)では、先輩にも萎縮することなく向き合い、注目を誘う骨太なトークを交わしていた。


 そんな一人ひとりの力があるので、6人が揃うとさらに面白みが増す。生放送の音楽番組のトークコーナーはもちろん、CM前のわずかな尺でも何かしらを見せてくれる。いまや6人が出演する生放送とくれば「何かが起こるのでは」と期待してしまうほどだ。グループのYouTubeチャンネルでは6人ならではの自由さがあり、バラエティでは番組の特徴やポジションを理解した仕事ぶりが光る。


 さて、『バリューの真実』では4月5日の放送に先駆けて、3月29日に55分のスペシャル拡大版が放送される。ジェシーと田中は10代の頃から同局の『Rの法則』に出演しており、等身大の悩みと向き合ってきた。20代になったいま、今度はSixTONESとして、そしてMCとして同局に戻ってきたのも感慨深い。SixTONES 6人が、どんなトークを展開するのか。この春、Eテレがさらに賑やかになりそうだ。(柚月裕実)