2022年03月23日 16:51 弁護士ドットコム
民法改正に伴って、4月1日から成人年齢が引き下げられることをめぐり、AV業界の健全化に取り組んでいる「AV人権倫理機構」(代表理事・志田陽子)は3月23日、メーカー団体やプロダクション団体など会員に向けて、出演年齢を20歳以上とすることを強く推奨する通達を出した。
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これまで18歳、19歳は親(法定代理人)の同意がなければ、契約を取り消すことができる「未成年取消権」があったが、成人年齢の引き下げで4月1日からこの権利が使えなくなる。そのため、AV出演の低年齢化が懸念されている。
通達によると、大手メーカーなど多くのメーカーでは、18歳、19歳の女優の出演は控えており、ここ数年、業界アンケートでも18歳、19歳の女優数はゼロになっているという。こうした状況を踏まえても、あらためて「20歳以上」を打ち出したかたちだ。
同機構は(1)AV出演を希望する女性に対する面接、契約、登録、撮影は20歳以上とすることを強く推奨する、(2)例外として18歳、19歳を受け入れる場合でも、高校などに在籍する場合は面接、契約、登録、撮影を一切おこなわない――などとする新ルールを設けた。
さらに、「新たなルールをご確認のうえ、ルール以上のご配慮をいただきますよう、早急にご検討いただき対処をしていただきたいと存じます」「年齢確認につきましても、再度の厳格化を実施していただきたくお願い申し上げます」としている。
同機構はいわゆるAV出演強要問題をきっかけに発足して、制作から販売までのプロセスの適正化した「適正AV」を定義したり、作品販売の停止窓口をつくって、業界健全化を目指している。
一方、近年、AVメーカーではなく、個人やサークルが制作した「同人AV」と呼ばれるジャンルもネットを中心に広がっていることから、AV出演強要問題に取り組む人権団体などからは「立法による解決」を求める声もあがっている。