アップルが、Macのファミリーに新しく加わるディスプレイなしのボックス型ハイエンドマシン「Mac Studio」と、本機にマッチする外部ディスプレイ「Apple Studio Display」を3月18日に発売します。ふたつのハイエンドマシンが夢のタッグチームを結成! 実機によるファーストインプレッションをレポートします。
Mac Studioは現状ファミリー内の最強マシン!
Mac Studioは、据え置き型マシンのハイエンド。アップルが独自に設計するシステムオンチップ「Apple M1」シリーズの最高峰である「M1 Max」や、2つのM1 Maxのシリコンダイを融合させて2倍以上の性能を引き出す新チップ「M1 Ultra」が搭載できます。本機が、M1 Ultraを初めて搭載するマシンになります。
Mac Studioは、コンパクトな筐体の中に新設計の排熱処理システムを搭載しています。左右対称に配置した空冷ファンにより、本体底部に設けたエアダクトから空気を取り込み、電源ユニットからチップの熱管理モジュールまで効率よく冷やすエアフローを生み出します。熱を帯びた空気は、2,000個以上の穴を設けた本体背面のパンチグリルから静かに排出。負荷の高いアプリケーションを複数立ち上げてみても、耳をそばだててようやく動作音が分かるほどの静音設計としています。
Mac Studioも本体にスピーカーを内蔵していますが、後述するStudio Displayの方がはるかにリッチなサウンドシステムを搭載しているので、エンタメ系コンテンツの視聴にはこちらを合わせるか、またはHomePod miniなどを活用するスタイルがおすすめです。Bluetoothスピーカーをペアリングしてもいいですね。
Mac Studioは、最新のmacOS 12.3 Montereyをインストールして出荷されます。最初はパブリックベータ版として実装する新機能「ユニバーサルコントロール」を使うと、Mac StudioとiPadOS 15.4以降を搭載するiPadをペアにして、1組のワイヤレスマウスとキーボードをふたつのデバイス間で使えるようになります。Mac Studioで画面いっぱいにAdobe Lightroomアプリケーションを展開しながらRAW現像に勤しむあいだ、ユニバーサルコントロールで接続したiPadでメールやメッセージを確認・返信する、といった使い方ができます。
すべてのMacユーザーにおすすめしたいStudio Display
Apple Studio Displayは、27インチの5K Retinaディスプレイを搭載する外付けディスプレイです。Mac Studioとの接続は、Thunderbolt対応のUSB-Cポート経由になります。背面に稲妻のアイコンがマークされているThunderbolt 3対応USB-Cポートは96Wのホスト充電に対応しているので、本機に接続したMacBookを充電しながら使えます。
Apple TV+で配信されているオリジナルコンテンツのなかには、アップル独自の空間オーディオに対応するドラマや映画が数多く揃っています。Studio Displayの6スピーカーシステムは空間オーディオの再生にも対応します。SFドラマ「インベージョン」のアクションシーンを再生すると、細かな音の粒に360度周囲をぐるりと包囲されるような臨場感に圧倒されました。本作でも、やはりタイトでパンチの効いた気持ちの良い低音再生が楽しめます。
Apple Musicで配信されているドルビーアトモスによる空間オーディオ対応の作品は、ミュージックアプリの設定から空間オーディオのオン・オフを切り替えながら聴くと、違いがとてもよく分かります。さらに、Studio Displayには最大96kHz/24bit対応のDAコンバーターが内蔵されているので、Macを接続して、Apple Musicのハイレゾロスレスコンテンツがシンプルに楽しめます。元のクオリティをダウンコンバートすることなく、高音質に再現できるハイレゾ対応のサウンドシステムとしても、Studio Displayは注目に値するデバイスです。
4Kテレビやゲームコントローラーにもつながる・広がる
Mac StudioはHDMI端子を搭載しているので、Apple TV+のコンテンツを大きな画面の4Kテレビに映して楽しむこともできます。仕事机からリビングルームのテレビサイドに移動させて、Apple TV 4K的な使い方もできるというわけです。Mac Studioのサウンドシステムではやや心許ない感じがするので、テレビのスピーカーから出力するか、またはHomePod miniを組み合わせるともっと良いでしょう。