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「マガデミー賞」受賞キャラが全員欠席、助演のマイキー「今はそれどころじゃない」

2022年03月16日 19:18  コミックナタリー

コミックナタリー

ケンドーコバヤシと受賞キャラクター。左から若宮詩暢、ヨナ、ガッツ、久能整、佐野万次郎。
マンガのキャラクターを讃えるアワード・マガデミー賞2021の授賞式が本日3月16日に東京都内で開催され、特別審査員長を務めたケンドーコバヤシらが登壇した。

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BookLiveが主催するマガデミー賞は、マンガのキャラクターたちに感謝と敬意を表し、さらなる躍進を応援する“キャラクターを讃える文化”の醸成を目指し創設にいたったもの。一般のマンガファンから推薦されたキャラクターの中から、審査員たちによって「主演男優賞」「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」4部門のキャラクターが選出された。授賞式の冒頭でこれまでの審査会の様子を聞かれたケンドーコバヤシは「ご時世柄リモートで審査させていただいたのですが、喧々諤々でした。けっこう揉めました」と当時の白熱した状況を話した。

主演男優賞に輝いたのは田村由美「ミステリと言う勿れ」の久能整。幅広い価値観で固定概念にとらわれない持論を展開する姿勢が、多様性を生み出す現代にふさわしいということから評価が集まった。受賞した久能は「ただの学生なので」という理由から授賞式を欠席し、代理出席者として登壇した月刊flowers(小学館)編集部の永田裕紀子氏がトロフィーを受け取る。久能からのメッセージも届いており「主演と言われますが、人は皆自分の人生の主演であり、同時にもれなく誰かの助演です」と彼らしい言葉を並べた。また読み切りから始まった同作に対し、作者の田村からは「皆様に育てていただいた作品であり整です。整に新しい世界を見せてもらっています」と受賞の喜びと感謝を綴ったメッセージが。審査員を務めたSHIBUYA TSUTAYA書店員の山岸誉幸氏も「整の言葉は淡々としていて感情的でないからこそ、複雑化した現代人の心にしみわたったり、はっと気付かされると思います」と話した。

主演女優賞は草凪みずほ「暁のヨナ」のヨナが受賞。審査員からは、迷いながらも成長する姿は言うまでもなく、仲間思いの人間力が素晴らしいと高く評価された。ヨナからは「こんなふうに温かく見てくれる人がいるんだと思えてうれしい。私と一緒に走ってくれた仲間のおかげです」といったメッセージが到着。ケンドーコバヤシも「恵まれた血統からの窮地に陥り、そこからの努力と覚醒、仲間への思い。主人公の要素すべてを兼ね備えていることからまさに主演女優賞にふさわしいと思います」と語る。さらに草凪からも受賞への驚きを伝えるメッセージが。「13年くらい一緒に苦しみ歩んできたキャラクターですが、知らないうちにこの世に皆様に認めていただける子になったんだなと大変恐縮しています」と感慨深さを綴った。

助演男優賞には和久井健「東京卍リベンジャーズ」のマイキーこと佐野万次郎が選出。審査員からは彼の「ひよっているやついる? いねえよなぁ!!?」というセリフがInstagramを中心にさまざまなシーンで使われていることや、彼の持つカリスマ性などが支持された。「今はそれどころじゃない」との理由で授賞式を欠席した万次郎に対しケンドーコバヤシは、「マイキーの愛車のバブというバイクが、3倍の値段になったと知り合いのバイク屋から聞きました」とその影響力を話す。そして助演女優賞に選ばれたのは末次由紀「ちはやふる」の若宮詩暢。SHIBUYA TSUTAYA書店員の近西良昌氏は、詩暢の受賞を祝ったのちに「ちはやの絶対的なライバルである詩暢さんは、孤高の存在でありながらその強さを発揮していて、『ちはやふる』という作品自体を盛り上げるキャラクターとして存在している」と話し、満場一致で受賞が決まったことを明かした。

どうか幸せになってほしい、という思いから審査員特別賞は三浦建太郎「ベルセルク」のガッツが受賞。ケンドーコバヤシは「僕も吊るし首になった母親から生まれたので親近感をいだいています」と会場を笑いに誘い、「みんなから愛されるキャラクターなので、名前が出た瞬間は満場一致でした」と審査会での様子も明らかにした。またBookLive書店員のすず木氏は、三浦が昨年5月に死去したことをふまえ「ガッツさんの旅はまだ続いていると思っています。今まですごく励まされてきた我々が今こそガッツさんを応援するべきだと思い選ばせていただきました」と選出時の思いを話した。

授賞式を終え、実施してみての感想を問われたケンドーコバヤシは「ここまで受賞者が出てこない賞は初めてでしょうね。本来の授賞式の1/4の時間で収まったんじゃないでしょうか」と笑いを誘う。また心が折れない、ぶれないタイプの主人公が好きだというケンドーコバヤシは、人生のバイブルマンガに「あしたのジョー」を挙げ「僕自身引っ越しを何回もしていますが、まず最初に『あしたのジョー』を置く場所を決めます」とその熱意を語る。また「キン肉マン」も好きだと話し、自分が苦しい時には「無理だと思っても無理と思うわけにはいかん」というセリフを思い返すと述べた。

※記事初出時、キャプションの登壇者名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。