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普段隠れていて見えないものを表面に、伊澤直子が手掛ける「ペイエン」が初のインスタレーション開催

2022年03月15日 22:02  Fashionsnap.com

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「Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 A/W」2日目の3月15日、伊澤直子が手掛ける「ペイエン(PEIEN)」が2022-23年秋冬コレクションを披露した。インスタレーション形式での発表は今回が初めて。「internal」をテーマに、現代人の自由、強さを表現するアイテムを製作した。

 ペイエンは、2016年にブランドをスタート。「単に強い・可愛い・綺麗な女性を表すだけではなく儚さや少し毒のある女性を表現できる服、そして周りに流されることなく個々の自由を表現できるdaily wearの提案」をコンセプトに創作活動を続けており、これまでの展示会ベースの発表とは違った方法で新作を発表したいと考え、今回「Rakuten Fashion Week TOKYO」への参加を決めた。
 インスタレーションが行われたのはプラダ青山店横の建物の地下。会場には、明るさを抑えた空間に新作を身に纏ったモデルが直立し、宙を見つめて微動だにしないため、一見すると精巧なマネキンかと錯覚するほど。いくつかの小部屋に分かれており、小部屋を覗くとモデルのほかに妖しいライトに照らされた服やアトリエ空間をそのまま持ってきたかのようなデザインの着想源となった資料などを展示。自身のファッション観を服だけでなく空間も用いて表現したいとの想いから、モデルが闊歩するランウェイ形式ではなく、観客自身が見て回るインスタレーション形式を採用した。

 コレクションは、ショルダーを分解し裏地や芯地が露わになったジャケットやコートなど、ペイエンらしい既存のデザインを解体、再構築したアイテムのほか、ニットや布帛をフェイクレザーやエナメルと切り替えたアイテムをラインナップ。部屋のリノベーションの際に剥き出しになった水道管やガス管からインスピレーションを得て、「普段は隠れていて目に見えないが、いつも存在しているもの」の強い意志を表現したという。

 インスタレーションを振り返り、伊澤は「まるで夢のよう」とコメント。現在は日本での取り扱いのほか、伊澤の出身地中国の北京に自身のショールームを構えるなどして海外展開を加速している。今後はパリでのコレクション発表を視野に入れる。

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