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WIT STUDIOが実写映画「やがて海へと届く」にアニメーションパート制作で参加

2022年03月15日 19:00  コミックナタリー

コミックナタリー

映画「やがて海へと届く」アニメーションパートのイラスト。
WIT STUDIOが実写映画「やがて海へと届く」アニメーションパートの制作を担当。併せて、映画冒頭のアニメーション映像が公開された。

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彩瀬まるによる同名小説を原作に、中川龍太郎が監督を務めた「やがて海へと届く」。岸井ゆきのが突然消息を絶った親友の死を受け入れられずにいる主人公・真奈役、浜辺美波がその親友のすみれ役を演じる。アニメーションパートでは、すみれの幻想的な世界が、水彩タッチの繊細な映像で表現された。WIT STUDIO制作の短編アニメ「とつくにの少女」で映像ディレクターを務めた久保雄太郎と米谷聡美の2人が、アニメーション監督を担当した。

岸井は「『こんな風に実写とアニメが折り重なっていくんだ』と感動しました。アニメがラストシーンに向かう橋渡しの役割をしていて、実写では伝えられないことをより観客の皆さんの心にダイレクトに届けられていると思います」とコメント。浜辺は「不思議なのですが、腑に落ちた気持ちにもなり、同時にアニメーションの中の女性の姿に必死に涙を堪えたのを覚えています。私にとってあのアニメーションがあったことは役を考える救いになりました」とアニメーションを観たときのことを振り返っている。

またアニメーション監督を担当した久保と米谷からもコメントが到着。久保は「一つひとつ描いていった輪郭は、彼女、彼らの記憶であり、想いであり、時間であり。大切なものを想い、大切なものに気づかされながら、誰かの代わりに日記を書くように、あるいは記録をするように形を作っていきました」と話し、米谷は「あったかもしれない未来や、憧れに胸を焦がし、いつのまにか記憶が混濁していく。儚く移ろい続け、とどまることを知らない水面の反射に、真奈とすみれを重ね合わせながら、あらゆるゆらぎに寄り添いたい一心でアニメーションに挑みました」と映像に込めた思いを語っている。「やがて海へと届く」は4月1日より全国ロードショー。

■ 岸井ゆきの(湖谷真奈役)コメント
脚本を読んだ時はあまり想像ができていなかったのですが、完成版を観た時に「こんな風に実写とアニメが折り重なっていくんだ」と感動しました。アニメがラストシーンに向かう橋渡しの役割をしていて、実写では伝えられないことをより観客の皆さんの心にダイレクトに届けられていると思います。ぜひ劇場で確認していただきたいです。

■ 浜辺美波(卯木すみれ役)コメント
一番最初の顔合わせのときにアニメーションの映像を見せていただきました。不思議なのですが、腑に落ちた気持ちにもなり、同時にアニメーションの中の女性の姿に必死に涙を堪えたのを覚えています。私にとってあのアニメーションがあったことは役を考える救いになりました。映画全編を通してみるとまた受け取る感情が変わるのではないかと思っています。この映画を観てくださった皆さまがどんな感想や解釈をお持ちになるのか、とても気になっています。お待ちしております。

■ 久保雄太郎(アニメーション監督)コメント
アニメーションは、形のないものを象っていく性質をもっています。一つひとつ描いていった輪郭は、彼女、彼らの記憶であり、想いであり、時間であり。大切なものを想い、大切なものに気づかされながら、誰かの代わりに日記を書くように、あるいは記録をするように形を作っていきました。アニメーションによって語られた時間が、言葉にはし難い何かに触れられていればと思います。

■ 米谷聡美(アニメーション監督)コメント
あったかもしれない未来や、憧れに胸を焦がし、いつのまにか記憶が混濁していく。儚く移ろい続け、とどまることを知らない水面の反射に、真奈とすみれを重ね合わせながら、あらゆるゆらぎに寄り添いたい一心でアニメーションに挑みました。閉じ込められていた時間が、ゆっくりと解けていく様子を、お届けできれば幸いです。

■ 中川龍太郎(監督)コメント
詩によってしか表現し得ないものがある。そう思い、物語の冒頭と末尾においては、台本の形ではなく、詩を書きました。その詩を久保さんと米谷さんという二人の天才アニメーション作家に表現してもらいました。実写だけでは表現しきれなかった、ひとの痛みや孤独、祈り、希望といった無数の感情を流れるようなイマジネーションの連鎖とともに紡いでもらいました。ぜひ劇場の大きな画面と暗闇の中で体感してもらえましたら幸いです。

(c)2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会