ゲームの世界で賞讃を浴びる快感に課金を重ね、気がつけば借金600万円余り。家庭もある40代の会社員男性は、いま生活を再建中だという。キャリコネニュース編集部はこの男性にインタビューした。
「銀行からの借入は残り100万ほど。クレジットカード分は債務整理を行い無利息で毎月11万の返済を2年続けてきて、あと2年ほどで完済です」
ゲーム世界の有名人となり課金が加速
「最初のきっかけは『モンスタークライ』というゲームです。このゲームを始めた2015年頃には月に10万円ほどの課金で十分新キャラ獲得やステータス上げができました。それでギルドメンバーやユーザーから『さすが!!』『すごい!!』といわれるのが気持ちよくなりました」
「2016年からは『セブンナイツ』のプレイを始めました。月の課金額は倍ほどになりましたが、チヤホヤされる事に高揚感を覚えていたため抵抗感はほとんどありませんでした。運営に誘われてネットの生放送番組を出演しも出演しました。チヤホヤされることが気持ちよく、それを維持するために課金のペースも加速していきました。その次のゲームに映る頃には既に課金に対する感覚が麻痺していました」
課金に躊躇がなかったのは、勤務する会社では海外出張も多く月収40万円に加えて別途20万円ほどの収入があったからだ。
「月の小遣いは3万円。出張中は小遣いナシと、妻と決めていましたが、出張手当はすべて自分のものになっていました」
課金はカード決済だったため家族に高額の課金は発覚しなかった。しかし、課金額が膨らみ、出張手当では補えなくなってきた。
「クレジットカードで限度額まで課金して、また新しいカードを作り、そのカードで課金をして限度枠まで使ったら新しいカードを作るを繰り返してました。カードが作れなくなると、今度はカードローンや銀行で金を借りて、払うのがきつくなってきたクレジットカードへの返済に回してました。同時に課金にも手を出していたため借金はますます膨らんでいました」
限界を超えているのに気づいたのは、これ以上クレジットカードが作れない状況になった時だった。これに気づいたのは2019年。メインのゲームは『黒い砂漠モバイル』になっていた。
「月に6万ぐらいの返済が必要だった訳ですが、この時は海外出張もしておらず、月の小遣いは3万で返済能力は皆無であることにようやく気付きました」
引退を決意した男性は、借金の任意整理(借金の返済について貸した側と交渉すること)を開始。家族に事情を打ち明けたが、幸いにも離婚には至らなかった。
「妻が離婚を選択しなかったのは、子供がいたこともありますが、自分から言うのもなんですが人柄がよく、また仕事に対しても真面目に取り組んでいた事もあったこと……だとっていました」
現在もゲームは趣味として続けているが、課金をするつもりはまったくないそうだ。
「ゲームに没頭することもなくなり、仕事に対して真っ直ぐに向かうようになったせいか、専門の仕事を任されたり、大きな昇給があったり、また赴任先の仕事仲間や各業者とも仲良くさせてもらい、大きな信頼関係が築けたりと、仕事でもプライベートでも充実した毎日が送れています」
現在、単身赴任中という男性。いまは地方暮らしを満喫していると語っていた。
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