僕はゲームが好きだ。多分ゲームの方も、僕のことが好きなんじゃないかな。直接聞いたことはないけれど。
これまで遊んだゲームの思い出は、今も大事にしている。こないだも『ファイナルファンタジータクティクス』に登場する敵ユニット、アパンダのフィギュアを自作したほど。ゲームは自分の趣味の中にしっかりと大きなウェイトを占めていて、さらにもう一つの趣味である模型作りにもリンクしているのだ。(文:松本ミゾレ)
好きなモノと好きなモノが紐づいていると、楽しみも相乗効果で倍増する。だからゲーム歴30年を超えても「卒業しよう」と思ったことも、その必要性を感じたこともない。
でも先日、ガールズちゃんねるに「長年続けてきたゲームを卒業するきっかけ」というトピックがあることを知らされた。掲示板の特性上ほぼ女性の書き込みなんだろうけど、ゲーム好きとしては、悲しく切ない気持ちになった。だってわざわざ辞めることなくね?
なぜ卒業しなきゃいけないの?
このトピックを立てた人物は、スマホで4年以上続けているゲームがあったそうだ。しかし最近ちょっと飽きてきたのと、スマホの容量をだいぶ圧迫しているため「卒業しよう」と考えているのだという。
どんなゲームか知らないが、4年も遊んでりゃ、そりゃまあ飽きるだろうが……なぜわざわざ「卒業」とか言うのだろう?
他の人たちの投稿も見ていくと……。
「ゲームに費やしてる時間もったいないって思ったらアッサリやめられた」
「楽しさより惰性で続けてる感が強くなったら」
「サービス終了のお知らせ」
「毎日ログインしなきゃ!っていう強迫観念にとらわれてやめるにやめられない。ログインするだけでゲームはしていない」
と、こんな具合である。
お気づきになられた方も多いだろうが、これはたぶんスマホのソシャゲーなど、オンラインゲームにドハマリしていた人たちの投稿だろう。
昔ながらの買い切りゲームなら、ログインしなくても損もないし、シーズンイベントだってないものも多いし、そもそもサービス終了に震えることもない。自分のペースで遊べばいいだけだ。
一方でソシャゲーはその仕組み上、「惰性で続ける」とか「強迫観念」で続けさせられたあげく、「時間もったいない」と後悔するみたいな悪循環が起きがちなのだろう。
しかし、そもそもゲームは仕事ではなく趣味の一つ。時間つぶしの気晴らしだ。
前も書いたが、僕も『fallout76』なんて、プレイしすぎてもうとっくにやることも残っていないんだけど遊び続けている。ログインすると何か面白くて時間潰しができちゃうからだ。それでも毎回、1時間ぐらい遊んだら「もうそろそろやめとこう」となって、電源を切る。
つい先日、僕もとうとうスマホを買った。なのでソシャゲの『ドラクエウォーク』をインストールして、毎日歩数計代わりに使っている。それから『インペリアル・サガEC』というブラウザゲーも遊んでいる。しかし、ログインするのは月に2、3回程度だ。「卒業」を考えなければいけないような問題は生じていない。
結局、「卒業しなきゃ」とか考えちゃうような人は、そもそも無理なプレイスタイルで遊んでいるということだろう。ソシャゲなんて自分の意思に関係なくどうせ強制的に卒業イベント(サービス終了)がやってくる。最初から、没頭しすぎず、課金もほどほどな距離感を保っておくべきだろう。