昔は夢中でやっていたのに、あるときパッタリやめてしまった趣味はないだろうか? 映画、アニメ、ゲーム、スポーツ、レジャー……。いっときはハマっていても、いつの間にか興味を失ったり、思い出を懐かしく語るだけになったりしがちなものはよくある。
一言でいうと「飽きちゃう」わけだが、言い方を変えれば「沼を脱して、真人間になった」と周りに評価されるケースもあるかもしれない。たとえば、「パチンコを辞めてくれてよかった」とかね。
ただ、そう上手くいかないのが人間という奴だ。(文:松本ミゾレ)
「パチンコ熱って冷めるもの?」
先日、5ちゃんねるに「年齢と共にパチンコ熱って冷めるものなのかなぁ」というスレッドが立っていた。なんか「夜空ノムコウ」の歌詞みたいだよね。
まあそれはさておきこのスレッドを立てた人物、パチンコ趣味を持つようだが「30超えたあたりからパチンコ熱が徐々に冷めてきた」という。周りの人間関係にも変化が多いようで、「みんな結婚とか子供とかで忙しそうだし、自分だけ取り残されている気分」と少々焦ってもいるようだ。
しかし! 私はパチンコやってる奴の「徐々に冷めてきた」という言葉は、この世で一番信用ならない話だと思う。スレ主はそれ以上レスしていないが、実際はガンガン打っているのではないか。
というのも、パチンコの場合は趣味というよりも、依存症に近い。やめようと思ってやめられるようなものでもないように感じる。いちユーザーとしては。
実際、パチンコホールに出入りする方々ならご存じのとおり、一部の人気店を除いて基本的に中年、壮年の人々の通う施設という感じになってきている。
社会生活基本調査によると、過去1年間にパチンコをした人の割合は、1996年の調査だと20代は30%超えだったが、2016年調査だと11%しかいない。
「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2021参加人口等の調査結果(速報版)」によると、2020年と比べて2021年の調査では「20代以下の参加率が4.5%減少。30代が2.9%減少」し、高齢者層よりも低下割合が高かったという。
パチンコ熱なんてない。
パチンコを楽しむにはカネも時間も必要だ。負けるときは1日5万~6万かかる。ところが世の20代は、カネも暇もなさそうな人ばかり。若い人もいるにはいるが、目立つのはハイエナに徹したニートっぽい子たちだ。もう若いユーザーが増える要素は皆無に思える。
そして僕が一番、言いたいポイントは、みんな誰も、パチンコに対する情熱、熱意みたいなものは持ってないんじゃない?っていうことだ。
僕も含めて、僕の身の回りのヘビーユーザー(少なくとも年間で20回以上パチンコホールに出入りするような人たち)は、誰も情熱とかで動く人間ではない。みんな欲目が眩んだパチンコ依存症だ。
依存症なんだから、年齢とともに熱が冷めるとか、そういうこととはまた別のベクトルに生きているのだ。パチンコ依存症は、好きとか嫌いとか熱中とか冷めるとか、そんな段階はとっくに超えてしまって、悲しいかな生けるギャンブル屍になっているのである。
ギャンブル屍になったらどうなるか……友達との約束より、パチンコを優先するようなことをたびたびやるような人間に育っちゃうこともあるのだ。こうなったらおしまいですよ……。