2018年以来、初めてTOYOTA GAZOO Racing WRTからラリーに参加し、2月24~27日に開催されたWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで総合3位表彰台を獲得したエサペッカ・ラッピは、同イベントでの自身のスピードに驚いたことを認めている。
ラッピは、シーズン唯一のスノーラリーであるラリー・スウェーデンの初日に一時トップに立つなど週末を通して上位につけ、トヨタGRヤリス・ラリー1で参加する初めてのラリーであったにもかかわらず、最終的に総合3位でフィニッシュした。
「復帰戦の最初のステージから、すぐにペースを上げることができたのは驚くべきことだった」とラッピは告白している。
「正直に言うと少し驚いた。しかし、さらに驚いたのは週末を通して同じようなペースを維持できたことだ」
「だからといって興奮しすぎてはいけない。ひとつのステージではいいのだけど、ラリーの週末をこのようなブランク明けに行うのは普通は容易ではない。だから、週末をとおして本当にパフォーマンスが発揮できたことに自分でも驚いているんだ」
■さらなるペース改善に期待するラッピ
31歳のフィンランド人は、2020年の終わりにMスポーツ・フォードWRTを離脱して以来、これまでトップカテゴリーのクルマでのラリー参戦は、わずか1度きりだった。トヨタに復帰した今季は、王者セバスチャン・オジエとトヨタGRヤリス・ラリー1をシェアしている。
「長いことチームやこのレベルの戦いから遠ざかっていたから、こうしてWRCに戻ってきてふたたびドライブすることができて本当にうれしく思っている」と彼は付け加えた。
「そしてなにより、ラリーを完走できたことがうれしかった。最終日はティエリー(ヌービル/ヒュンダイi20 Nラリー1)とかなり激しいバトルになったが、冷静に賢い判断を下し3位でチームにポイント持ち帰えることにした。それが無事にできてホッとしたよ」
競技初日、金曜午前中に行われたSS2でオット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1)を逆転して総合トップに躍り出たラッピは、クルマの最適なセットアップを見つけるために懸命に取り組んだ。
「少しフラストレーションを抱えていた」とラッピ。「(事前の)テストではクルマは良い感じだった。しかし、実際のラリーではなにかが足りないと思ったし、クルマが思ったとおりに動いてくれなかった。それが分かっていても解決策が見つからないときは少しイライラしてしまうんだ」
「でも、きっと僕たちはそこにたどり着くことができると確信している。TGR WRTは素晴らしいチームだし、彼らと一緒に仕事ができてとてもうれしく思っている。今後はもう少しスピードを見つけてカッレ(・ロバンペラ/WRC第2戦優勝)への挑戦を視野に入れられたらいいと思う。週末の彼の速さはクレイジーだったけどね」
古巣復帰戦とラリー1デビュー戦を総合3位で終えたラッピは次戦、4月21~24日に行われるWRC第3戦クロアチア・ラリーでも引き続きトヨタGRヤリス・ラリー1のステアリングを握る予定だ。