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一見上手な少年漫画の“主人公”、プロの添削でどう変化? ポイントは「目」の描き方にあり

2022年03月07日 08:11  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイル(https://youtube.owacon.moe/watch?v=48crJbM1gk0)より

 「人気の少年漫画誌で連載を行う」というのは、プロ漫画家を目指す人にとって大きな夢だろう。そこで人気漫画家になることができれば、多くの少年少女に夢を与え、その影響力は後世にも及ぶ。例えば、鳥山明による『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』は1980年代に始まった作品にも関わらず、いまだ多くの子どもたちに愛される作品だ。その中でも主人公の孫悟空は、日本人なら大半がすぐ頭に思い浮かぶキャラクターだろう。


(参考:【写真】一見上手な“主人公”キャラクターのイラストが、プロの添削で生まれ変わっていく様子


 そんな魅力的なキャラクターを生み出すにはどんな工夫をすればいいか? そんなことのヒントになるような動画が、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏のYouTubeチャンネルで公開された。同チャンネルの動画の多くは、視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストについて、プロの目線で細かく添削するというもの。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かしアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのも、大きな魅力だ。チャンネル登録者数は15万人を超える。


 2月26日に公開された「【イラスト添削76】徹底解説! 魅力的に描く方法 、少年漫画の主人公 ~一見上手なイラストもプロ絵師が見れば?」と題した動画では、ハイド氏が“少年誌で活躍したい”と願う漫画家の卵へ、主人公を魅力的に描く秘訣を伝授した。


 今回、イラストを投稿した「switchさん」はプロの漫画家を目指しているそう。switchさんのイラストを受け、ハイド氏は「少年漫画らしい絵だよね。これだけで好感が持てたし、実際、上手いと思います。switchさんは“質感を出すのが苦手”と描いてあるけれど、そんなこともないと思う」と絶賛した。


 その上で指摘したのは「質感」よりも「主人公の表情に魅力が欠ける」ということ。まず「目が同じ方向に向いていないこと」と説明した。ハイド氏は「少年漫画の主人公は目が命なので、視線の送り方は気をつけてほしい。それと瞼を少し濃く描くことで華やかさは出るんじゃないかな」と語った。


 そうして出来上がったハイド氏のイラストは、確かに存在感が増していた。描く角度をやや下からにすることで、派手さを生み出していた。また身に纏っている小物も主張を強め、細部までこだわったことで、主人公感がより高まった。「質感」に悩んでいるswitchさんにとって大きなヒントとなったことだろう。


 映画もドラマも漫画でも、やはり主人公が放つ存在感・オーラというのはとてつもなく重要だ。自分が求める「主人公」とはどんな姿が理想かを追求して、描くことが大切ということをペガサス氏は教えてくれている。


 動画が気になる漫画家の卵はぜひペガサス氏のチャンネルをチェックしてみよう。ステップアップするヒントが得られそうだ。