すでにシェイクダウンを終え、2023年の実戦投入に向けてテストを重ねるポルシェのLMDhプロジェクトだが、ドイツのマンハイムにLMDhプログラム向けの新規ファクトリーを構えることが分かった。
ペンスキーと組み、『ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ』として北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、ならびにWEC世界耐久選手権の新たな最高峰クラスに参戦するポルシェだが、このマンハイムのファクトリーはWEC向けの前線基地となる模様だ。
ペンスキーのオーナーであるロジャー・ペンスキーは、ペンスキー・オートモティブ・グループの創業者でもあり、世界各地に多種多様な自動車メーカーの正規ディーラーや販売店を持つ。その数は2022年3月現在、世界で438店舗を数える。
関係者によれば、ポルシェLMDhの新拠点は、ペンスキーがドイツで経営するポルシェセンター・マンハイムの旧店舗を改装して作られるという。敷地面積はおよそ9700㎡に及ぶということだ。
マンハイムはフランクフルト国際空港から南に約80㎞、ホッケンハイムリンクから約20km、ニュルブルクリンクから約110㎞に位置する。バイザッハにあるポルシェの開発センターからも110㎞ほどとなり、これらを行き来するアウトバーンは交通量が多い区間ではあるものの、ロジスティクス面での立地は良さそうだ。
現在、その建物は全面改装工事が急ピッチで進められているが、ポルシェワークスチームが使用することになるため、一般の立ち入りは禁止されることになるという。
内部の設備等に関しては回答を得られなかったものの、メカニックや各種専門エンジニアをはじめ、トランスポーターのドライバー、ITコーディネーターから専属フィットネストレーナーまで、数多くの専門職の人材募集を開始している。
ポルシェはLMDh参戦発表に際し「大西洋の両側にチームの拠点を置く」と公言しており、欧州側の拠点がいよいよ決定した形だ。
新ファクトリーの完成やチームメンバーがすべて揃うにはまだしばらく時間が必要になるだろうが、夏前には新拠点での準備が開催されるものと見られる。