F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、2022年に改定されたF1のレギュレーションの意図を損なう可能性のある技術革新がチームによって行われた場合、F1は介入と統制を躊躇しないと述べている。
今年刷新されたレギュレーションは、F1の技術ワーキンググループによって立案されたものだが、まずなによりも競争の場を公平にし、マシン同士が接近戦を行うことでコース上のショーを盛り上げることを目指している。
F1のアプローチは、グラウンドエフェクトによるエアロダイナミクスを元にしているが、これはマシンのダウンフォースのほとんどをフロントやリヤウイングではなく、車体底面から発生させるものだ。ブラウンは各チームのデザインを注意深く監視しており、新ルールの精神に反することがないようにしている。
「(新たな技術革新は)いずれもマシンの基本的な特性を損なうものではないと考えている」とブラウンが語ったと『Racingnews365』は報じた。
「しかしこれまで何度も言っているように、このマシンをデザインしたワーキンググループは、今も取り組みを続けている」
「今ではデータとデザインにアクセスできるようになっており、デザインが間違った方向に変えられているか否かを評価し、ふたたび調整を行うことになる」
「一部のドライバーと話をしたが、彼らはこのマシンが他のマシンを追いかける際の違いについて評価していると思う」
バルセロナで行われた第1回目のプレシーズンテストで、各チームは予想どおり数々の革新的なデザインを展開して見せた。フロントウイングについての様々な解釈から、サイドポッドの作り込み、創造的なフロアのカットアウトまで、ブラウンは細部まで見逃さなかった。当然ながら、フェラーリの大胆な新車F1-75は間違いなくブラウンの目には傑出した存在に映った。
「フェラーリを見ると、非常に極端な形状に作られたサイドポッドを備えている」とブラウンは話した。
「フロアのサイドにも多くの興味深い細かい部分があり、フロアのエッジの細部には膨大な方法が取り入れられている」
F1チームはバーレーンで開催される2022年F1世界選手権の開幕戦を前に、同地で行われる第2回目のテストで最初のアップグレードを投入すると見られている。