isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
まーささんによる「上半期の恋愛占い」、星乃せいこさんによる「2022年の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
「上半期恋愛占い」「年間運勢グラフ」はこちら 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
受け入れていくしかないもの
今週のおひつじ座は、小さな波の輪がみるみる広がっていくような星回り。
「灯を消して春雷を聞くウヰスキー」(真木康守)という句のごとし。掲句では、孤独に浸ることを楽しむような夜にふと遠くで鳴った春雷が、小さな虫を起こすようにして、自分の心の中にある何かに気づかせてくれたのかも知れません。
春は川の水の温度があがり、小さな虫が地上に這い出すところから、もう後戻りできない生命の祭典と化していく。それがある種の自己解放へと繋がる人もいれば、無視できないほど悩みの種が膨らんで自己疎外に陥る人もいるのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、自分の心の奥に潜む思いを確かめるべく、そうして遠くの春雷の音が、グラスの中で鳴る氷の音と響きあいつつ喉の奥へと染み渡っていくような特別な夜を過ごしてみるといいでしょう。
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袋小路を抜けて
今週のおうし座は、比喩的な意味で視界に“奥行き”が加わっていくような星回り。
両眼で見ている像はシームレスにつながった1つの像に見えますが、驚くべきことに、網膜からのびる神経は完全に分離されており、2つの部分によって伝えられた情報が合成されて、再度、1つの主観的な像が作り出されているのだそうです。
片方の網膜から得られる情報と、もう片方の網膜から得られる情報との“差異”こそが、視覚に新たな次元を加えられ、単一のソースのみからでは生じ得ないタイプの情報がそこで得られる。こうした二重比較の方法が欠如しているとき、私たちはしばしば認識の袋小路に陥っているのだとも言えます。
今週のあなたもまた、そうした複数のソースからの情報を見比べ、重ね合わせることで、すでに見えているはずの現実に新たな理解をもたらしていくことがテーマとなっていくでしょう。
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急がばまわれ
今週のふたご座は、できるだけ大きくゆったりと構えてみせるような星回り。
水量が増えた川の流れは、時間の経過の早さや、人生の華やいだ時期のはかなさなどを表す際に比喩的に使われることが多いですが、「海に入ることを急がず春の川」(富安風生)では、どことなくのどかな風景や余韻を残します。
それもこれも「春の川」を見て「海に入ることを急がず」と表現してみせた作者独自の、深い安らぎの境地ゆえの作用と言えるでしょう。情報の流れに過剰適応気味になっている現代人にとって、こうした作者の境地は世間と相対する上で実に対照的な姿勢を表しているように思います。
今週のあなたもまた、作者の「海に入ることを急がず」の境地へと、少しだけ姿勢を傾けてみるといいかも知れません。
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どこまでも限りなく
今週のかに座は、いつも以上に深く遠くへと思考をずらしていくような星回り。
翼は2つの意味をもちます。第1に、大地の重力からの解放、重苦しい地上の掟からの自由自在。第2に、おのれの欲するところへ翔け行きたいというエロス的願望。翼は第2のエロス的願望に傾くにつれ、明確な志向性の表現となり、翼をもって羽ばたかずにはいられなくなるのです。
古来、メソポタミアやシュメールの神話では、死者は飛び去りゆく鳥として描かれていましたが、それは人が死ぬとき、最後の吐息とともに魂が口を通って出てゆくからなのかも知れません。
今週のあなたもまた、文字通り息の切れるところまで想いを飛ばしてみるつもりで過ごしてみるといいでしょう。
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いのちの重なり
今週のしし座は、死にきれずに残ったものを改めて受け取っていくような星回り。
「白魚をすすりそこねて死ぬことなし」(斎藤玄)の「白魚」とは、おそらく生きてそのまま飲み込むような踊り食いのそれなのでしょう。末期の大腸がんだった作者は、それをうまくすすれなかった。それは、飲み込まれてしまう小さな命を憐れに思ってしまったのかも知れません。
そのうえで、失敗してもなお死ななかったことに驚いているのです。頼りなくも確かにここにある生のふしぎな手触りに、改めて「死ぬことなし」と感じ入っている。そして、奇跡的に難を逃れた白魚といまの自分の境遇がまったく同じであることに気付いたのでしょう。
今週のあなたもまた、ふとしたことからみずからの生が別のシーンへと切り換わったことに気が付いていくかも知れません。
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深い深い谷をはさんで
今週のおとめ座は、おのれの切望を橋へと変えてゆこうとするような星回り。
戦前に刊行された保田与重郎の『日本の橋』いわく、西欧の橋が頑丈な石造りなのは、そこを征服者が大勢の軍隊とともに移動するための便宜であるのに対し、日本の橋は木の橋や吊り橋で、弱くて哀れな造りになっているそう。
これは村人や旅人が川を渡るために造ったという程度のもので、両者はたんに素材が違うだけではなくて、橋というものの目的意識そのものが異なっており、日本の橋はその弱弱しさにこそ特徴があるのだと言うのです。
今週のあなたもまた、やがて朽ち果てるはかなさを湛えた道として、誰か何かへと橋を架けてゆくべし。
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惜しみつつ手放す
今週のてんびん座は、心のどこかでひっかかっていたもののフックが取れていくような星回り。
「雛しまふ跡に掃(はか)るる花色々」(炭太祇)で詠まれているのは、雛飾りを片付けたあと、座敷を掃いているところ。当然、実際に「色々」の花があるわけではありませんが、お雛さまの形見と思えばこそ、ちりやゴミでさえ花びらのように見えたのでしょう。
どんなものであれ、賑やかなものというのは、なぜか侘しさがつきまとう。「色々」なものを、人は「花」として受け取っては、いつまでも始末をつけることができずに心の隙間に溜めてしまう。何か誰かを心から「惜しむ」ということは、そういうことなのかも知れません。
今週のあなたもまた、もし心から失うことが耐えがたいと感じているものがあるならば、それが何らかの形であぶり出されていきやすいでしょう。
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光の躍動
今週のさそり座は、支えるべきものにおのが力を目一杯あたえていこうとするような星回り。
ポルトガルのロカ岬の碑文に刻まれた「ここに地終わり、海始まる」という詩の一節で知られる詩人にカモンエシュという人物がいる。彼のある夜通しの一夜について語られた文学的資料によれば、テーブルに灯していた蠟燭が消えた時、この詩人は飼い猫の眼の光で詩を書き続けたのだという。
蝋燭がいなくなっても、そこには猫がいた。そう!火にみちた眼で詩人の手から詩が生みだされていく様子をじっと見つめていた。その時どうしてすべてがその視線の、光の躍動を維持しないことがあろうか。ひとつのものが衰えれば、残りのものがより一層協力しあって埋め合わせをするのだ。
今週のあなたもまた、以前から目をかけていた相手や営みに、より一層力を注いでいくべし。
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自分の土俵に立つということ
今週のいて座は、身近で当たり前になりつつある場所への解像度をグッと上げていくような星回り。
「目高浮く最中へ落る椿かな」(溝口素丸)で詠まれた景色のスケールはごくごく小さく、雄大な自然のなかのささやかなワンシーンに過ぎないはずなのに、決してそう感じさせないのは、掲句が静けさのなかの一瞬の動を鋭く捉えているからだろう。
同じことは俳句以外にも通底する話で、ダイナミックな作品を作るのに、必ずしも舞台となるロケーションやタイムスケジュールの大きさは必要ないのであって、それよりも作り手がそこで起きている出来事の機微をいかに的確に捉えられるかどうかにかかっているのではないか。
今週のあなたもまた、あれもこれも欲張るのでなく、ささやかであっても自分の土俵といえる場所にきちんと目を向け直していくべし。
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確かな手応えを求めて
今週のやぎ座は、「対話」を回復させるための精神的なスポーツに打ち込んでいくような星回り。
「われわれが心の底を友だちに見せることができないのは、ふつう、友だちに対する警戒心よりも、むしろ自分自身に対する警戒心である」と言ったのはラ・ロシュフコーでしたが、その意味で、友だちに悪口をいうというのは、やはり最大のサービス行為と言えるでしょう。
なぜなら、弱い人間というのは率直になれないものですし、率直さの伴わない悪口というのは悪口でさえなく、単なる自己顕示欲の現われでしかないからです。悪口を言われたら、悪口をもってこたえねばならない。それが友情であり、義理というものなのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、ずっしりと重い手ごたえのボールを投げ返すべく、自分自身に対する率直さを取り戻していくことがテーマとなっていきそうです。
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からだを開く
今週のみずがめ座は、頭より先に身体を開いていこうとするような星回り。
春になると海は穏やかに凪ぎ、あたたかい潮風が吹いて、ずいぶんとのどかになる。「春の海まつすぐ行けば見える筈」(大牧広)はそんな春の海を、余計な小細工はさっぱり捨てて、ごく素直な心で、そして素直な言葉で捉えています。
さながら、穏やかな春の海にすっかり身をゆだね、無心で潮風にたゆたうかのように。ここでは、「春の海」という季語が柔らかでありながらも動いておらず、どっしりと作者の身体性を受け止めています。こういう風にまっすぐに自然と向き合う瞬間を、現代人はいまどれだけ持てているのでしょうか。
今週のあなたもまた、春という季節と向き合うための自分なりの時間と場所をしっかりと確保していくべし。
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夢見の行
今週のうお座は、非合理で混沌とした宇宙的な意志へ、みずから加担していこうとするような星回り。
毎年訪れるうお座の季節というのは、明瞭な線や形態、構造を支える力、秩序ある全体のまとまりなど、昼の幾何学が軟化し、眠り込んでいく時期でもありますが、それは私たちの眼がどこまで重たく、非合理な睡眠への宇宙的な意志に加担するかにかかっています。
眼の弛緩は手や足の指先の弛緩につながり、それとともに夢の空間もまた解き放たれ、不眠気味の濁った意識を精神の真夜中へと導く潮流へとすっかり飲み込んでいく。それでこそ、人をつくり直し、新しい一日の戸口に真新しく立たせる健全な夜の機能が、完全に作動するのです。
今週のあなたもまた、そんな宇宙的運動へとどれだけシンクロしていけるか、その結果、どれだけ鮮やかな夢をヴェールに映していけるかが問われていくでしょう。
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