ほんの2年ほど前には考えられもしなかったリモートワークが、今ではかなり浸透してきた。そもそもリモート不可能な仕事もあるが、「リモートでできる仕事」でも、積極的に推進している会社もあれば、反対している会社もあって、これは大きく意見がわかれるところだろう。
働く人の中にも、それこそ「多少収入が下がってもリモートがいい派」から「リアルで顔を合わせないと仕事をしたことにならない派」まで、幅広くいて興味深い。そういえば、先日5ちゃんねるに「『出社で年収800万円(東京で片道1時間通勤)』vs『フルリモートで年収500万円』←どっちをとる??」というスレッドが立っていた。(文:松本ミゾレ)
人気なのはどっち?
このスレ主は、毎日片道1時間かけて会社に行って年収800万円の生活と、リモートのみで年収は500万円の生活。このどっちがいいのかという問いかけをしている。
ここについたレスを見ていくと
「出社で400万のワイなら迷わずリモートをとる」
「出社800や。いまリモートやけど仕事サボっちゃうわ」
「そらフルリモート500万よ」
「これでリモート選ぶ奴はどんだけ金持ちなんや。300万差はめちゃくちゃでかいで」
と、こんな感じ。
通勤ありで800万も、リモートで500万も、どっちもそれなりに人気だった。スレッドではそもそも年収500万以下で通勤してるって人もいたけど。
「出社してもいいならリモートで500万」って意見もあった。これはよく理解できる。僕はコロナ禍になる何年も前からほぼリモートで、たまの取材で右往左往する日々を送ってきたが、このたまの取材が気分転換になる。
リモートって、自宅が職場になるのである意味で全然気持ちが休まらない。
ずっと仕事のことが頭の中にある状態になってしまうというか。この感覚は今、リモートオンリーで働いていて、きっちり仕事している人なら理解できるんじゃないだろうか。
ただでさえオン・オフを切り替えるのが上手じゃなくて、「ついつい仕事を気にしてしまう人」は、フル・リモートには向いていないかもしれない。
光熱費や通信費、そして運動不足も……
それと、今回紹介したスレッドには「意外と光熱費の差がでかい」という書き込みがあった。これもここ2年、実感として理解している人が増えたのではないだろうか。
特に夏のエアコン、冬の暖房費がヤバい。そのほかにもパソコンや電気ポット……家で仕事をしていると、どうやっても電気は使う。
リモートワークのため、自宅にもネット回線が不可欠になって、維持費がかかるようになったなんて人も相当いるはず。
交通費の代わりに光熱費・通信費を補助する企業って、どれだけあるんだろうか。
また、満員電車に乗っている間はマジで地獄だけど、通勤で歩く時間が適度な運動になるのも事実だ。10年以上自宅で働いていると、最寄り駅まで歩くことだって、実はとっても大事なことだと痛感することしきりだ。
僕などは腹筋ローラーとか、なんか引っ張ると伸びる輪っかとか、あとワンダーコアとか常備して毎日使っている。それでも全然運動ができていないので焦っている。通勤なしで運動不足になって、それを解消するためにジム代も、となると、「リモートで年収ダウン」を選ぶメリットがまた一つ消えてしまう気がする。
と、いろいろ考えていくと、個人的には「年収800万円通勤あり」のほうがお得なんじゃないかなと思った。まあ、僕はもう10年以上、在宅リモートワークしてる人なんだけどね……。