2021年、岡山県の岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久第6戦に突如として参戦を開始したのが、100%バイオマス由来の次世代バイオディーゼル燃料『サステオ』を使用した『MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO』。ORC ROOKIE Racingが2021年第3戦富士から投入したORC ROOKIE Corolla H2 conceptに続く、カーボンニュートラルに向けた新たな取り組みとして参戦した車両だが、この参戦に至るまでのいきさつや、そして参戦の際に掲げられたチーム名『MAZDA SPIRIT RACING』とはいったい何を指すのか、ドライバーのひとりとしてステアリングを握るマツダの前田育男常務執行役員に聞いた。
前田常務執行役員は1982年にマツダに入社。2009年にデザイン本部長に就任し、2016年にはデザイン・ブランドスタイル担当の常務執行役員という役柄に就いた。2011年からマツダ車に採用される美しい『魂動』デザインを手がけた人物その人だ。そして一方で、ひとりのクルマ好き、モータースポーツ好きとしてレースにも参戦。2021年に突如登場したMAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO以前にもスーパー耐久には参戦してきた。
マツダは2022年にも、『MAZDA SPIRIT RACING』としてスーパー耐久に参戦する。新たに車名は『MAZDA2 Bio concept』に変更され、TEAM NOPROと広島マツダが運営するHM RACERSのサポートを得ながらST-Qクラスに挑む。さらに、第3戦SUGOからは同じく『MAZDA SPIRIT RACING』としてロードスターを激戦区のST-5クラスに投入する。
そんなシーズンを前に、2月23日に行われたスーパー耐久富士公式テストで、MAZDA2 Bio conceptも姿をみせ、前田常務執行役員もステアリングを握った。2022年を前に、『MAZDA SPIRIT RACING』とはなんなのか、そして1990年代後半以降、海外では活動があったが、日本のマツダ本体として実質的な活動がなかったマツダのモータースポーツ活動がどんな展開をみせていくのか聞いた。
そして2022年、『MAZDA SPIRIT RACING』という新たなブランドとともに、マツダがマツダとして、サーキットに戻ってくることが宣言された。もちろん、MAZDA2 Bio conceptがつけるカーナンバーは、1991年にル・マン24時間を制した787Bがつけた『55』だ。2022年のスーパー耐久、今後の活動の広がりを、大いに楽しみにしたいところだ。