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武蔵大准教授の北村紗衣氏、甲南大非常勤講師を提訴 「ツイッターで名誉毀損された」

2022年02月25日 22:01  弁護士ドットコム

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ツイッター上で名誉を傷つけられたとして、武蔵大准教授で、フェミニズム批評で知られる北村紗衣さんは2月25日、甲南大の非常勤講師の男性を相手取り、損害賠償165万円を求めて東京地裁に提訴した。


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訴状などによると、男性は2019年11月から2022年1月にかけて、北村さんについて「ポリコレリベサヨうんこ学者」などとするツイートをしたり、「異常性格」などの他のアカウントの投稿をリツイートしていた。中には、北村さんの著書に中指を立てている写真の投稿をおこなっていた。



これら一連のツイートについて、北村さん側は名誉を毀損する不法行為と主張している。



ほかにも、男性は、オープンレター(歴史学者の呉座勇一さんが北村さんに対しておこなった「誹謗中傷」に関連して、女性差別の文化を脱却するようもとめた公開文書)についても批判し、北村さんが二次加害による不調を訴えるツイートをしたところ、次のように投稿した。



<和解した癖に正義ヅラして怨恨晴らそうとオープンレター出しといて、色々と叩かれたら『仕事休んだ、怖くて泣いちゃいそう』で支持者に泣き付き紅衛兵煽るの、ホンマ舐め腐っとるやろ。社会的超強者の癖に気分はシンデレラか何か知らんがお嬢様気分でいやがるの、端的に恥ずかしいと思わんのか?>(2022年1月19日)



北村さん側の弁護団は「呉座氏と北村氏は和解により解決したにもかかわらず、紛争を蒸し返して相手を窮地に追い詰める不誠実な人間であるとの印象を与えるので、原告の社会的評価を低下させる名誉毀損である」などとしている。



●北村さん「研究・教育に専念する環境を取り戻すため提訴」

弁護団によると、北村さんは男性に対し、ツイッター上の「嫌がらせ」をやめるよう申し入れたが、エスカレートしたために提訴に至ったという。



提訴後の記者会見で、北村さんは「呉座さんとは昨年7月に和解が成立しています。本来であれば、私も呉座さんもそれまでに起こったことは過去のこととして乗り越え、研究者本来の職務である研究と教育に専念できるはずでした」と語った。



そのうえで、提訴に踏み切った理由をこう述べた。



「しかし、問題はインターネット上で何ら当事者に関係ない、野次馬としか言えない人たちがこの件を面白がって煽り立て、誹謗中傷やまったくの憶測、事実に基づかないデマに近い情報などを拡散していることです。このため、私にとって落ち着いて研究ができるような環境は戻ってきておりません。このたび訴訟を起こしたのは、研究者らしく研究・教育に専念できるような環境を取り戻すためです」



●男性「法廷において争うつもりでおります」

弁護士ドットコムニュースの取材に対して、男性は次のようにコメントしている。



「私の今後の対応で御座いますが、現在、北村氏の代理人弁護士に対し、同氏が名誉毀損を訴える内容証明郵便を勤務先の甲南大学に送付し、かつ『甲南大学の学者が、他の大学の学者に対し性差別的かつ学者としての品位にもとるツイートをしているものであるから、甲南大学の信用を棄損しているもの』として甲南大学に通告した件を以て、懲戒請求を行なっております。



実の所、『ご本人のツイートはやむ気配がないため、現在、訴訟を準備しています』と1月21日にツイートした北村氏からの訴状は未だ届いておりませんが、もし訴状が来た場合、法廷において争うつもりでおります」