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『その年、私たちは』ロスに捧げたい! エモさを味わい尽くすロマンス韓国ドラマ3選

2022年02月20日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ある春の夜に』(MBC公式サイトより)

 洗練された演出とOST、感性的な表現で綴る名台詞の数々、視聴者の青春と共感を呼び起こすストーリー。『その年、私たちは』は、一言で言えばとにかく“エモい”作品だった。大きな事件が起こるわけではないが、優しさで包まれた繊細な世界観に、抜け出せないほどにどっぷりハマった人も多かったのではないだろうか。本記事ではそんな『その年、私たちは』ロスたちに捧げるロマンス韓国ドラマ厳選3作品を紹介したい。


【写真】『ブラームスは好きですか?』でのキム・ミンジェとパク・ウンビン


■『ブラームスは好きですか?』


 夢と現実の境界に立ったクラシック音楽学生たちの、揺らぐ夢と愛を描いた本作は、繊細なロマンスドラマだ。親しい仲間だったロベルト・シューマンの妻クララに一生片思いしたヨハネス・ブラームスをモチーフにし、世界的に活躍する天才ピアニストのジュニョン(キム・ミンジェ)と努力家のヴァイオリニストのソンア(パク・ウンビン)、親友の恋人を愛してしまった2人が音楽を通して出逢い、切ない恋愛模様を展開していく。


 ヒロインは、2021年日本でも話題となった『恋慕』のパク・ウンビン。『恋慕』をはじめ、『ストーブリーグ』など男前な役を演じることが多かった彼女が、心機一転ピュアで繊細なヒロインを演じている。そしてキム・ミンジェ演じるジュニョンが、従来の韓ドラ男性主人公にはいなかったありがちなキャラでないのも、心をくすぐるポイントだ。物静かで知的、恋愛不器用な草食系と思いきや、ふいに男気と色気を出してくる。『その年、私たちは』で友情のため恋心を隠し続けるジウンを演じたキム・ソンチョルが、本作でも愛と友情の間で揺れるチェリストを演じているのも見逃せない。


■『ある春の夜に』


 春の夜は天気がきまぐれで読めない。冬の冷たい空気が残り、突然雨が降ったり強風が吹き荒れたりもする。それでも人々は暖かい春の夜を待ち侘びる。暖かい愛を待つように。『ある春の夜に』は、そんな春の夜を背景に、淡々と日々を過ごしていた図書館司書のジョンイン(ハン・ジミン)と、シングルファーザーの薬剤師ジホ(チョン・ヘイン)が偶然出会い、恋に落ちる過程を描いたロマンスドラマだ。4年間交際する恋人とは愛と情熱はすっかり冷め、マンネリ気味のジョンインは、ジホとの出会いで心が揺れはじめ、愛の意味と結婚について考えるようになる。


 大ヒット作『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』に続き、脚本のキム・ウンと監督のアン・パンソクが再びタッグを組んだ本作は、ジョンインとジホに近づきたくとも近づけない、触れたくとも触れられない、そのもどかしい時間が流れていく。他人の目によく見せるための形式的な恋愛ではなく、一緒にいると自然と笑みが溢れてしまい、心が温まるようなそんな恋愛の心地よさ。彼らの現実的な恋愛は過去に経験した、あるいはいつか体験する私たちの話のようだ。


■『第3の魅力~終わらない恋の始まり~』


 四季とともに愛の軌跡を綴るという点で『その年、私たちは』と共通しているのが、『第3の魅力~終わらない恋の始まり~』だ。20歳の春、27歳の夏、32歳の秋と冬、人生の四季を共に過ごした男女の12年にわたる恋愛史のすべてを描いたラブストーリーだ。


 ある暖かい春の日、シャイで小心者、パッとしないジュニョン(ソ・ガンジュン)と、その正反対でしっかりもので正義感溢れるヨンジェ、20歳の2人の男女がお互いの輝く魅力に惹かれ恋に落ちる。7年の歳月が流れ27歳になった年の夏、再び戻ってきた彼らの恋愛は、1度目の淡い恋よりさらに熱く、そして現実的だ。その後さらに5年が流れ、いつのまにか32歳になった秋と冬、2人の人生がまた交差する。


 本作の凄みは、2人の12年の恋愛史を通してリアルな人生を表現していることだ。ただその時を楽しんでいた青春の20歳から、様々な葛藤を抱える27歳、そしてなにかしらの傷を負って生きる32歳。ポップカラーのリュックを背負う激イモメガネ姿だったソ・ガンジュン演じるジュニョンが大人の男性になるまでの間に、視聴者はヨンジェの人生に何が起こったのかを徐々に知ることになる。私たちの人生と同じように、大切なものを失ったり、病気になったり、様々な「人生の試練」がやってくる。序盤のポップで爽やかな青春ストーリーから一転、後半には待ち受けている運命と試練の残酷さに涙腺が決壊してしまうはずだ。


 「明るくhappyなラブコメ求む!」の人にはおすすめしないが、きっと『その年、私たちは』ロスには刺さる作品だろう。


(Nana)