オープニングヒートこそクリーンな展開となり、最新世代アウディを投入したメルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)のエース、ジェイ・ハンソン(アウディRS3 LMS)が、2代目RS3 LMSのオーストラリア大陸デビューウインを飾ったものの、レース2以降は接触アクシデントやペナルティに、赤旗掲示の荒れた週末に。最終的に自身もペナルティ裁定を受けながら、HMOカスタマー・レーシングから参戦のジョシュ・バカン(ヒュンダイi30 N TCR)が最初のシリーズリーダーに立っている。
そんな波乱を予感させる空気のなか、最初のヒートに向けポールポジションを獲得したネイサン・マルコム(HMOカスタマー・レーシング/ヒュンダイi30 N TCR)だったが、スタートではフロントロウに並んでいた新世代アウディに出し抜かれ、ハンソンに26周のレースを支配される展開に。その後、チームメイトでもあるバカンがマルコムを抜いて2位を獲得し、HMOの2台がポディウムを死守。6番手発進のジェームス・モファット(LMCT+レーシングGRM/ルノー・メガーヌR.S.TCR)が2021年ランキング2位のアーロン・キャメロン(チーム・バルボリンGRM/プジョー308 TCR)を仕留め4位に入っている。
再開後は首位コックスが勢いを見せる新鋭ベイリー・スウィーニー(HMOカスタマー・レーシング/ヒュンダイi30 N TCR)を押さえ込み勝利。3番手争いは終盤、最後の最後でトニー・ダルベルト(ホンダ・ウォール・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)のオーバーテイクを試みた旧型アウディの初代王者がわずかにワイドになり、グラスエリアにマシンを落として決着。シビックが最後のポディウムを守り、RS3 LMSの感触を掴み始めたブラウンが4位に続く結果となった。
リスタートではバカンがスーターの攻撃を抑えたものの、ブラッド・シールズ(ロイヤル・パープル・チルトン・レーシング/ヒュンダイi30 N TCR)がディラン・オキーフ(シェフラーGRM/プジョー308 TCR)の左後部にヒットし、メインストレートのタイヤバリアを破壊するクラッシュに発展。これでレースは赤旗中断が宣言される。