TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッドを駆り、2021年のル・マンウイナー/WEC王者となった(左から)ホセ-マリア・ロペス、小林可夢偉、マイク・コンウェイ IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権内の耐久カップ“IMSAミシュラン・エンデュランスカップ(IMEC)”で、アリーが支援する48号車キャデラックDPi-V.Rを走らせているアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)は、次戦第2戦セブリング12時間に向け、ジミー・ジョンソン欠場時の“緊急時対応プラン”を実行に移す予定だ。具体的には、ホセ-マリア・ロペスをNASCARレジェンドの代役に起用する。
チームマネージャーのゲイリー・ネルソンによると、AXRはジョンソンが3月16~19日にセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される12時間レースに出場できない場合の対策案を、年初からすでに準備していたという。
同チームは今月17日、2021年のWEC世界耐久選手権シリーズチャンピオンであるロペスが、IMEC第2戦でジョンソンに代わってアリー・キャデラック・レーシングの48号車のシートに座ることを確認した。
このドライバー変更は、NASCARカップシリーズで7度のチャンピオンシップ獲得を誇るジョンソンがIMSAと並行参戦している、NTTインディカー・シリーズの第2戦テキサスとセブリング12時間の開催日程が重複するスケジュール問題から生まれたものだ。
2021年にインディカーのロードコースイベントにのみ出場したジョンソンは今年、フルシーズンの取り組みにステップアップしている。
「インディカーが彼らのスケジュールを発表したときから、我々はこの“緊急時対応プラン”を準備してきた。その後、テキサスのイベントとの衝突が避けられないことが分かった」とネルソンは説明した。
「ホセ-マリア(・ロペス)を起用することについては、本当に簡単に決断することができた。彼はデイトナで私たちと一緒に走り、ロレックス24(デイトナ24時間)に至るまでのすべてのテストもこなしてくれていたため、彼を起用するのは当然とも言えることだ」
「彼と(小林)可夢偉はWECのレース(3月18日決勝の開幕戦セブリング1000マイル)にも出場する。しかし、彼らはそれに耐えうるドライバーたちだ。セブリングでのエクストラ・ラップは、12時間レースでのアリー・キャデラックの活躍のために私たちを助けることができると思う」
「私たちはジミーを恋しく思うが、同時に彼がテキサスで最高の結果を得ることを願っている」
■金曜はトヨタと戦うWEC1000マイル、IMSAの12時間レースは翌日スタート
セブリング戦を欠場するジョンソンは、ワトキンス・グレンとロード・アトランタで行われるIMECの残り2戦で、ヘンドリック・モータースポーツが支援する48号車キャデラックに復帰することが期待されている。
「僕はチームのもとに戻り、彼らと一緒にセブリングでアリー・キャデラックとレースをするのを本当に楽しみにしていた」と語ったジョンソン。
「我々は2021年のセブリングでは素晴らしい走りを見せ、レースのほとんどで優勝争いに加わっていたんだ」
「ホセ-マリアは素晴らしいドライバーであり、彼はきっと素晴らしい結果を出してくれるだろう。また、チームも経験豊富だからアリー・キャデラックを表彰台に乗せることができると思う。できれば頂上に立ってほしいね」
WECではTOYOTA GAZOO Racing 7号車トヨタGR010ハイブリッドのクルーとして可夢偉、マイク・コンウェイとチームを組んでいるロペス。彼は先月末に行われたデイトナ24時間でウェザーテック・スポーツカー選手権デビューを果たした後、IMSA DPiクラスで2度目のスタートを切ることになる。
これはAXRでのチームメイトである可夢偉とマイク・ロッケンフェラーと同様に、現WECチャンピオンがセブリングでのWEC第1戦1000マイルレースと、IMSAの12時間レースにダブルエントリーすることを意味する。なお、AXRの31号車キャデラックDPi-V.Rをドライブするコンウェイもまた、セブリングでふたつのレースを戦うドライバーのひとりだ。
ロペスは、「残念なことにジミー(・ジョンソン)はインディカーとIMSAの両方を同時に行うことはできない。だから僕はセブリング12時間にも参加するつもりだった」と語った。
「最初はWECの開幕戦に参加する。僕たちは金曜日にトヨタとレースをして、それからガレージを渡って土曜日はアリー・キャデラック・レーシングでレースをする予定だ」
「アクション・エクスプレス・レーシングでふたたび(キャデラックを)ドライブする機会に本当に感謝している。僕とマイク(・ロッケンフェラー)と可夢偉が良い結果を残せることを願っている」
ロペスは次のように付け加えた。「デイトナ24時間でアリー・キャデラックチームの一員になれたことは、僕にとって素晴らしい出来事だった。チームの努力と、ジミー、マイク、可夢偉の走りをとても誇りに思ったんだ」
「生憎、自分たちが思い描いたような結果にはならなかったが、ペースは良かった。デイトナでのレースは僕にとって始めてのアメリカンレースだった。思っていたよりずっと良かったよ。自分自身のパフォーマンスには満足できたんだ」