2月17日(木)、FIAは、マイケル・マシがF1のレースディレクターを離れると発表した。
2021年のF1最終戦アブダビGPの終盤、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)のクラッシュによりセーフティカーが出動した。その後リスタートの際に、マシはレギュレーションに則るのではなく独自の手順でセーフティカーの運用を行ったため、隊列の先頭を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)が不利な状況に陥り、最終的に8度目のタイトルを逃した。
レース後、勝利とタイトルを逃したメルセデスはFIAに抗議したが、FIA側はそれを棄却。メルセデスは即座に上訴の意向を示したが、関係者やファンからFIAの取った手順に対して批判が相次いでいたこともあって、FIAはこの一件について調査を行うことを発表。それに伴いメルセデスも上訴を取りやめた。
今回のFIAの発表によると、F1委員会はロンドンで会議を行い、そこでモハメド・ビン・スライエム会長が審判組織とレースディレクションの徹底的な改革を提案。F1のCEOやチーム代表らが満場一致でそれを支持したとのことだ。
マシに代わって新たにF1のレースディレクターに就任するのは、ニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスの2名で、彼らが交代で務めることになる。さらにハービー・ブラッシュが常任のシニアアドバイザーとしてサポートする。新体制は今月バルセロナで行われるプレシーズンテストで発足するということだ。
チャーリー・ホワイティングが亡くなった後、3年間にわたってレースディレクターを務めたマシは、FIAのなかで別のポジションに就くという。しかし今回の発表のなかで、そのポジションがどのようなものであるかは明らかになっていない。