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家賃が払えないとどうなる?

2022年02月17日 16:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「家賃が払えない」、それはドラマや漫画の世界だけのことではありません。突然の病気やリストラなどで収入が減れば、誰にでも起こる可能性があるのです。



ましてや、2020年以降は新型コロナウイルス流行の影響で収入が減る人が多く、とても他人事とは言い難い状況になっています。



家賃が払えない状況になったとき、私たちは何をすべきでしょうか。どうにもできないからといって、黙って家賃を滞納するのは絶対にいけません。



この記事では、家賃が払えないときの対処法を紹介します。もし家賃を滞納してしまうと、どんなことが起こるかも説明します。


○家賃が払えないとすぐ退去?家賃滞納で私たちに起こること

まずは、家賃を滞納するとどんなことが起こるのかを説明していきます。



家賃を滞納することのリスクは、想像以上に大きいものです。



○家賃滞納から退去命令までは段階がある

家賃を滞納すると退去を命じられることを心配する人は多いと思いますが、一度の滞納ですぐに退去させられるわけではありません。



はじめは大家さんや管理会社から、借主本人に対して家賃の支払いを催促する連絡が入ります。



この時点で支払いの意思があることや、いつまでに支払えるかを伝えることができればいったん連絡はなくなりますが、返答がないもしくは支払いが行われないといった場合は再度連絡が来ることになります。



進展がない状態が続くと、次は連帯保証人に連絡が行きます。


保証人がいない物件の場合は保証会社が立て替えてくれますが、一時的なものである上に利息が発生することになっています。


それでも解決しない場合、内容証明郵便で督促状が届くことがあります。



内容証明とは差出人と宛先、そして文書の内容を公的に証明するもので、これにより家賃が支払われていないという事実が証明されます。



さらに滞納が続いた場合は、契約解除通知書が送られてきます。未納分の家賃に延滞料金を加えた金額の請求と、退去する日が記載されています。



これが送られてくると、未納分の家賃を払ったとしても退去しなければならなくなります。



つまり、強制退去ということです。退去したくない場合は、契約解除通知書が届く前に支払を済ませるしかありません。


最初の滞納から契約解除通知書が送られるまで、明確な基準はありませんが、一般的には3か月が目安と言われています。


以前にも家賃を滞納した事実がある場合は、この限りではありません。


○家賃滞納は信用情報に記録されることも

家賃を滞納すると、大家さんや管理会社との信頼関係が崩れるだけでなく他のことにも影響が及びます。



家賃保証会社を利用して賃貸物件を借りている場合は、家賃を滞納したことが信用情報に記録されてしまいます。



信用情報とは、個人がクレジットカードやローンに申し込んだり、借り入れや返済を行ったり、といったお金に関する情報が記録されるものです。



家賃の滞納が長期にわたったり、または何度も滞納を繰り返したりすると、今後新たにクレジットカードを作るときや、車や家をローンで購入するときに審査に落ちる可能性があります。



また、家賃滞納の記録が残ると引っ越しをする際に同じ保証会社を利用して次の賃貸物件を借りることも難しくなり、不便を強いられます。



○最悪の場合は裁判を起こされる可能性も

家賃の滞納が長期にわたると、大家さんから裁判を起こされることもありえます。



裁判所を通して大家さんと話し合いを行い、和解という形で終わることができる場合もありますが、あまり期待しないほうがいいでしょう。



本来、貸主である大家さんと借主は家賃を規定通りに支払うことで信頼関係が成り立っているので、時間とお金がかかる裁判を選ぶということは、それだけ信頼関係が破綻していると考えられるからです。



和解できないとなると、判決は裁判所にゆだねられますが、「家賃を滞納した」という大きな過失があるので大家さんが勝つことがほとんどです。


○家賃が払えない時はこうしよう!コロナで収入減でも慌てない方法

家賃を滞納することには大きなリスクがあることがわかりました。では続いて、家賃が払えないとなったときにどのような行動をとるべきかを説明します。



ここでは、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した場合についての救済措置も紹介しているので、該当する方はぜひご覧ください。



○大家さんに相談することを一番先にしよう

まずは大家さんに相談するのが一番確実です。管理会社が間に入っている場合は、そちらでもいいでしょう。



相談することで、「まずは半分の金額を納める」、「猶予期間を設ける」など、何らかの対応をしてくれるかもしれません。



また、相談の際には払う意思がきちんとあることを説明するのも重要です。当たり前のことですが、誠意が見えたほうが大家さんも対応しようという気になります。



家賃が払えないことを話すのは勇気がいりますが、一番よくないのは黙って滞納することです。



はじめにお伝えした通り、家賃が払えなくなったからといって急に退去させられることはありませんので、正直に話して指示を受けましょう。



○可能ならアルバイトで収入を増やそう

時間に余裕があれば、アルバイトをして家賃を払うためのお金を稼ぐことも良い方法です。



単発のアルバイトなら、すぐに仕事につきやすい上に必要がなくなったらやめられるので負担がありません。



また、家賃保証会社を利用している場合は立て替えてもらったぶんの利息も支払わなければならないので、より多くのお金が必要になります。



支払があとになればなるほど金額が大きくなってしまうので、可能な限り早く行動しましょう。



○コロナで収入減なら「住居確保給付金」などの申請をしよう

収入が減少し、住居を失う可能性が生じている場合は住居確保給付金という支援金を受けられます。



一定の要件を満たすと、原則として3か月間(最大12か月間まで延長可能)家賃の補助が受けられます。



補助金は自治体から大家さんに直接支給されるので、払い忘れや他のことに使うことができない仕組みになっています。


補助される金額の上限は、各自治体によって異なります。


また、2021年9月現在、新型コロナウイルスの影響で収入が減少している人に向けて、さまざまな支援が行われています。



<例>



社会保険料、公共料金の支払いを一定期間免除または猶予

国税、地方税納付の猶予


受けられる支援は都道府県により異なるので、まずはお住まいの自治体に問い合わせてみてください。



○生活費全般に困っているなら生活保護を受給しよう

大幅な収入減や失業によって、家賃の支払いだけでなく生活費全般に困っている場合は生活保護の受給をおすすめします。



ただし、生活保護の受給者は家賃の上限が決められており、今住んでいる物件の家賃が上限を超える場合は、自治体から支給額の範囲内におさまる家賃の物件に引っ越すよう指導が入ります。



<家賃上限額の例:東京23区の場合>


生活保護の上限額を超える家賃の物件に住んでいるからといって、必ず引っ越さなければならないわけではありません。



しかし、支給されたお金だけでやりくりしていると、いつか高い家賃を払い続けるのに限界がきます。



同じ物件に住み続けたいのであれば、生活保護は最低限の期間だけ受けることを目標にしましょう。


○家賃が払えない時は即行動を!相談や資金調達を早めにしよう

家賃が払えない状況に陥ると、誰でもどうしたらいいかわからなくなってしまうと思います。



しかし、時間はどんどん過ぎていきます。支払期日を過ぎても大家さんに連絡せず、滞納を続けてしまうなどすると、最悪の場合は強制退去や裁判に発展する可能性があります。



家賃が払えない時は、まず大家さんに相談するのが一番です。支払が困難な状況にあることを一刻も早く知ってもらう必要があります。



それに加えてアルバイトやカードローンで資金を調達したり、お住まいの自治体に相談して補助金を受けたりなど、できることを行ってください。



早く行動すればするほど、ストレスもトラブルも少なく済みます。必ず解決策は見つかりますから、自分だけで抱えないようにしましょう。