ウイリアムズのニコラス・ラティフィは、昨年12月のアブダビGP後に殺害予告を受けたことから、ボディガードを雇わなければならなかったと明かした。
タイトルがかかった2021年のF1最終戦アブダビGPの終盤に起きたラティフィのクラッシュによってセーフティカーが出動した。しかしリスタートの手順がレギュレーション通りに行われなかったことで、最後の1周の争いでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)から世界タイトルを奪うことになった。
レース後、ラティフィは自身のことをハミルトンの敗北原因だと見なす人々から、ソーシャルメディア上で嫌がらせの標的にされた。脅しはエスカレートしたため、ラティフィは自ら対処することにした。
「大袈裟だと思う人もいるだろうけれど、結局あのような人たちがどれだけ本気なのか分からないからね」とラティフィは火曜日に行われたウイリアムズの2022年F1マシン『FW44』発表会で語った。
「空港で酒に酔ったファンや、最悪の1日を過ごして薬物やなにかの影響下にある誰かにぶつかるかもしれない。そういう人が極端な意見をもっているかもしれない。万が一のことだけどね」
「レース後にロンドンに戻って、数日間は用事の時はボディガードをつけた。ガールフレンドとウィンターワンダーランドに行ったんだ。終盤の連戦の前は時間が持てなかったから。その時もボディガードをつけていた」
「おかしく聞こえるかもしれないし、ばかげているかもしれないが、僕たちは脅迫を真剣に受け止めた。何が起きるかなんて分からないからだ。それが僕たちが住んでいるこの世界の残念な部分だね」
ラティフィはまた、彼のリタイアによるセーフティカー出場で状況が暗転してしまったハミルトンから連絡があり、ソーシャルメディアでの脅迫への対策を支援する申し出を受けたことを明かした。
「あの後に受けたサポートに関してだけど、僕が声明を出す数日前にルイスがメッセージをくれたんだ」
「もちろん彼が言ったことを詳しく話すつもりはないよ。メルセデスの他のチームメンバーからもサポートのメッセージをもらった」
「いろいろなカテゴリーのたくさんのドライバーやチームもソーシャルメディアでサポートしてくれたのは本当にうれしかったし、励まされたよ。明らかにみんなが気持ちとメッセージに共感してくれたんだ」
ラティフィは、自身に向けられたソーシャルメディア上での嫌がらせは、稀な出来事ではないと指摘した。
「今回のようなオンラインでの嫌がらせは唯一の例ではない」
「モータースポーツ以外のところでもそうだ。最近の例はEURO2020の決勝だろうね。3人のイギリス人プレイヤー(マーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョ、ブカヨ・サカ)がPKを失敗したことで、非難されたんだ」
「残念ながらこの世の中にはソーシャルメディアについての問題がある。ソーシャルメディアには良い面もたくさんある。普段だったら関わることがない多くのものにアクセスできる」
「でも同時にこうしたマイナスの落とし穴がある。これについては、さらにもっとよい方法を見つけられるといいんだけど」