マクラーレンF1チームのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、ランド・ノリスと新たに結んだ長期契約について、ノリスが“ナンバー1ドライバー”だということを示唆するものではないと語った。
2022年型マシン『MCL36』の発表を前に、マクラーレンはノリスとの契約を2025年末まで延長した。マクラーレンにおけるノリスの将来を保証したこの動きは、有能な若者に対するチームの信頼を反映していた。
しかし、2月11日(金)に行われた新型マシンの発表後、ノリスの位置づけについて質問されたザイドルは、マクラーレンで任務を遂行する期間が長くなったからといって、チームメイトのダニエル・リカルドよりもノリスを優遇することにはならないと明言した。
「もし『マクラーレンがナンバー1ドライバーを指定するかどうか』を知りたいのなら、答えははっきりノーだ」と、ザイドルは述べた。
「私の仕事はチームとして取り組むことだ。ふたりのドライバーがコース上で成果を挙げ、最後まで戦い抜けるよう、彼らにいつでも均等な機会を提供することだ」
「もちろん、2017年にチームに加わり今年でレギュラードライバーとして4シーズン目を迎えるランドは、自分にマッチしたチームとマシンでF1を戦った3年目の昨年、ポールポジションを獲れるし、優勝争いもできることを示してくれた」
「我々にとって、彼にできるだけ長くマクラーレンにとどまってもらおうと考えるのは自然なことだった。なぜなら、チームとしての行程を予定通りに進め続けることが何よりも重要だからだ」
「だから、さらに今後4年間ランドと組むことになり、とてもうれしい。それこそが何より重要だった。ここぞという重要局面で、彼ならやり遂げてくれると、我々は知っている」
新たな契約の内容について、ノリスは昇給したと認めたものの、その額については予想どおり固く口を閉ざした。
「うん、僕にとっては間違いなくこれまでよりさらに助かる話だよ!」とノリスは語った。
「どんな契約書であっても給与規定は盛り込まれるからね。良いシーズンを送れれば、殊に他のチームから誘いがあったときなど、当然給与はすこし増える」
「金銭的な側面で言えば、昇給はいつだって自分にとって助かる話だ」
そうは言いつつ、ノリスは金銭が最優先事項というわけではないとも述べた。
「そういう人が多いのは分かっているけれど、正直に言えば、僕にとって最大の関心事ではないんだ」
「僕はこれまでずっと、一番大切なのは自分が喜べるかどうか、幸せかどうかだと言ってきた。そしてその考えはいまでも変わっていない」
「あらゆる要件のなかで、それこそが自分にとっての決め手だといえる。(以前は)モナコに移住しない、と言っていた。けれど、状況は変わるものだし、それに応じて、自分の幸せと喜びを追求することこそ、僕には何より大切なんだ」