FIAとF1は、悪天候に見舞われた2021年F1ベルギーGPでのポイント付与について批判されたことを受け、新たなポイントシステムを導入することを発表した。
ベルギーGP決勝は雨のためにディレイの判断が繰り返された後、セーフティカー先導のもとでフォーメイションラップが行われたが、結局赤旗中断となった。長時間の待機時間を経て、本来のスタート時刻より3時間以上遅れてセーフティカー先導でレースがスタート、しかし3周目に入ったところで、再び赤旗が出され、その後、レース再開せずとの発表が行われた。
F1競技レギュレーションでは、「リーダーが2周以下の周回にとどまった場合はポイントは付与されない」「リーダーが2周よりも多い周回を走り、元々のレースディスタンスの75パーセント未満しか走行しなかった場合には、ハーフポイントが付与される」と定められていた。そのため、ベルギーでは、セーフティカー先導で、一切順位の変動なく走行したにもかかわらず、トップ10のドライバーにハーフポイントが与えられた。
これについて、レースコントロールがレースを公式に成立させるためだけにコンディションが改善していないにもかかわらず2周を走らせたという疑いが持ち上がり、さらに、実質的にレースは行われていないにもかかわらずポイントを付与したことにも大きな批判が集まった。
この際、当時のFIA会長ジャン・トッドは、レギュレーションに基づいてレースを運用したと主張する一方で、今後の改善のために、ポイント配分等を含め、レギュレーションを慎重に検討すると約束した。
2022年初のF1コミッション会合が2月14日に開催され、FIAとF1は主要な議題と決定について公表した。そのなかで、レース短縮の場合のポイントシステムの変更について合意がなされたことが明らかになった。
「天候の影響を受けた2021年FIA F1ベルギーGPを受け、委員会は競技レギュレーションの変更案を以下のように承認した」として、FIAとF1は、ポイントシステム変更点を以下のように説明した。
■リーダーが、セーフティカーおよび/またはバーチャルセーフティカーの介入なしに、最低2周走り切らない限り、ポイントは付与されない。
■リーダーが2周以上走行したが、予定されたレース距離の25%未満だった場合には、上位5人に以下のとおりポイントを付与する。
1位:6点
2位:4点
3位:3点
4位:2点
5位:1点
■リーダーが予定されたレース距離の25%以上50%未満を完走した場合、以下のようにポイントが付与される。
1位:13点
2位:10点
3位:8点
4位:6点
5位:5点
6位:4点
7位:3点
8位:2点
9位:1点
■リーダーが予定されたレース距離の50%以上75%未満を完走した場合、以下のようにポイントが付与される。
1位:19点
2位:14点
3位:12点
4位:9点
5位:8点
6位:6点
7位:5点
8位:3点
9位:2点
10位:1点
レギュレーション変更は、世界モータースポーツ評議会の承認を得た後に、正式に確定する。