離職率が比較的高いことで知られる介護職。もちろん事業所にもよるが、キャリコネニュース読者からは介護の仕事を辞めた経験談が数多く寄せられている。兵庫県の50代女性は、酷い労働条件の事業所を「2か月」で辞めた経緯を次のように明かした。(文:林加奈)
※キャリコネニュースでは引き続きアンケート「仕事を即行でやめた人」を実施しています。回答ページはこちら https://questant.jp/q/HF78WM9H
「手書きで書類作成、1日の行動を分単位で記入し毎日提出」
女性は入社当初「サ責(サービス提供責任者)、訪問介護員」という肩書きのはずだった。ところが実際は「毎日、ヘルパーの仕事だけ、月末だけサ責の仕事」だったという。他にも
「日頃外に出ているのでほんとに遅くまで、できるまで帰れない。机のみPCなし。書類も手書き作成」
「1日の行動を、分単位で記入し毎日提出。出勤時にタイムカードを打っているのに、それを見ずに『タイムカードは打つものだ』との公開説教を他の職員の前でされる」
「毎朝、6時半に社長よりメールでシフト連絡。受信確認のためすぐ返信。すぐ返信がなければ返信催促が来る」
などブラックな職場環境を次々に挙げる女性。それだけでなく「子どもが小学生なので20時までしか勤務できないと伝えたにもかかわらず、月末に帰ると『ほかの職員からクレームが出ているので遅くまで仕事して』と言われる」ありさまだ。子どもが小学生なら20時までの勤務でもかなり遅いと思うが……。
「他の職員は辞めることを知らず『今聞いた』と罵られる」
精神的に限界を迎えた女性は、1か月前に社長に辞意を伝えたという。ところが
「社長娘も同じ職場で、『根性ださんかい。覚悟して入社したんやから』などのメールが何回も届く。辞める前の日まで、その家に(訪問介護に)行くことはないのに同行研修させられる。辞めることは社長に伝えているのに、他の職員は全く知らず『今聞いた』とのことで常識がないと罵られる。辞めるときには社長にのみ挨拶して辞めた」
と退職の際も嫌な思いをさせられた。退職後の心境について「辞めたことは人生の中で1番最良の決断でした」と晴れ晴れとした様子で綴っていた。女性は現在、ほかの事業所の福祉・介護職の正社員として年収およそ350万円で働いている。