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JO1からINIに引き継がれるメディア露出の機会 それぞれの系譜を経て辿り着いた今

2022年02月11日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

JO1『WANDERING』

 2019年、2021年と、日本のオーディション番組ブームを大きく盛り上げた『PRODUCE 101 JAPAN』シリーズ。そこからデビューをつかみ、日本のエンターテインメントシーンで活躍の幅を広げているのが、JO1とINIだ。


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 同じLAPONEエンタテインメント所属である両グループは、個々の活躍が光りつつも、近年コラボレーションの機会が多いように思う。昨年12月に韓国で行われた『2021 Mnet ASIAN MUSIC AWARDS(MAMA)』や大晦日の『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2021→2022』(TBS系)での連続パフォーマンスも記憶に新しい。


 両グループの活動を紐解いていくと、2組の間に流れる、先輩から後輩へ引き継がれる系譜を感じることができる。本記事では、JO1とINIに引き継がれるもの、そしてそこから生まれる両グループの新たな道について考えていきたい。


 2組の間で目に見えて引き継がれているものといえば、メディアでの活躍機会ではないだろうか。冒頭で記したパフォーマンス番組はもちろんのこと、過去にJO1のメンバーが出演していた『土曜はナニする!?』(カンテレ・フジテレビ系)や『ポケモンの家あつまる?』(テレビ東京系)などのバラエティ番組にもINIのメンバーが続けて出演している。


 先輩グループであるJO1は、当時国内で火がついたばかりだったオーディション番組ブーム下で生まれている。また、デビュー直後にコロナウイルスの影響を受け、ライブなどの活動制限を余儀なくされていた。『PRODUCE 101』シリーズから続くK-POPファンからの注目度はあったものの、エンターテインメント業界の中ではまだ知名度は決して高くない存在であったはずだ。


 彼らはその中で、一つひとつの番組出演を大いに盛り上げた。2020年の地上波初パフォーマンス『スッキリ』(日本テレビ系)では、初々しいながらも洗練されたパフォーマンスを見せ、続いて出演した『HEY! HEY! NEO!』(フジテレビ系)では、MC陣とのトークで、オーディション中も垣間見えていたバラエティ能力を発揮。また、2021年1月は「キットカット」の公式アンバサダーに就任するなど、番組露出だけでなく、コマーシャルでの活躍が始まり、お茶の間に広く知れ渡るように。事務所のパイオニアとして彼らが地道に行ってきた活動は、結果として、オーディション番組発グループとしての人気の核を築きあげていった。


 このJO1の影響もあり、後発の『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』でデビューしたINIも、活動開始時から『王様のブランチ』(TBS系)で特集されるなど、破竹の勢いで活躍の機会を増やすことになった。先輩であるJO1同様、コマーシャル領域にも進出を果たし、デビュー間もないタイミングながらケアブランド「米肌」のCMに出演している。


 JO1がその活動でファン層の礎を築いてきたのだとすれば、INIはファンの裾野を広げる新たな道を開いた、と言ってもいいかもしれない。特筆すべきは、JO1の活動では少なかった、新規メディアに露出していることだ。


 INIは、デビュー当時から音声メディアでの活躍が多かった。デビューシングル『A』のリリース期は、音声サービス AuDeeにて、記念番組『INI -11Days Voice-』を配信。直近では、グループ初の冠ラジオ番組『From INI』(TOKYO FM)がスタートした。昨今トレンドでもある音声メディアは、音声だけでその様子を伝える分、トークの内容や声色から、個々のキャラクター像が伝わりやすい。デビュー前から個々人の魅力が際立っていたINIは、メンバーそれぞれのファン、そしてグループのファン層を広げるためにも、この環境を駆使しながら、大いに活躍していくだろう。


 ボーイズグループシーンに一石を投じたJO1とINI。先輩から後輩へ引き継がれてきた活動の系譜は、さらに新しい展開を見せている。2022年1月、両グループはそれぞれ、自身のYouTubeチャンネルにて新しいコンテンツを発表した。JO1が届ける「Hi! JO1」、INIが届ける「INIフォルダ」はどちらも、“まだ発揮できていない彼らの新しい魅力”をファンに伝えることがコンセプトとなっている。デビューから続いてきたそれぞれの系譜を経て、同じコンテンツの舞台に立つ2組が、今後も楽しみで仕方がない。(こなみ)