2月9~10日、岡山県の岡山国際サーキットで、ホンダNSX-GT、トヨタGRスープラがそれぞれ5台ずつ参加し、メーカーテストが行われた。今季初テストとなったチームも多かったが、2021年にau TOM'S GR Supraを駆りGT500クラスチャンピオンを獲得した関口雄飛が移籍加入したTGR TEAM SARDもそのひとつだった。そしてそのテストは、関口加入により古豪復活へ向け大きな手ごたえを感じるものとなったようだ。
すでに2022年のスーパーGT開幕に向け、3メーカーからドライバーラインアップが発表されているGT500クラス。そのなかでも大きな驚きをもって迎えられたのが、2021年に坪井翔とともにチャンピオンを獲得した関口のTGR TEAM SARDへの移籍だ。かつて2014~15年にドライバーとしてコンビを組んだ脇阪寿一監督のもと、中山雄一とともにチームの浮上を目指すことになる。
そんな新たな体制で、最初のテストとなったのが2月9~10日の岡山でのメーカーテスト。2022年に向けては空力開発が許されているが、まだチームには新しいエアロは届いておらず、DENSO KOBELCO SARD GR Supra自体は2021年仕様のまま。カラーリングもそのまま(今後変更される)で、唯一サイドウインドウ上部に『Y.SEKIGUCHI』の名前が加えられた。
このテストでは、当然各車でこなしている内容はまったく異なり、タイムはほとんど参考にならない。「タイムを気にするのは公式テストから」というのが多くのチームの考え方だが、岡山でのメーカーテストではタイム差は僅差。そのなかで、初日午後には関口がトップタイムをマークするなど、DENSO KOBELCO SARD GR Supraは好調な走りをみせた。
このテストでみせていた速さについて、関口は「もちろんもっと詰めるところもありますが、好調です」という。そして、2022年の開幕に向けた手ごたえも口にした。「今回GRスープラ勢が上位でしたが、ホンダも、鈴鹿のときのニッサンも、まだ本当の手の内は明かしていないと思うんです」と断りつつ、GRスープラ勢のトップチームになれる手ごたえがTGR TEAM SARDにはあるという。
関口との初テストについては、チームメイトの中山も驚きを隠さなかった。「2021年のチャンピオンですし、僕たちTGR TEAM SARDが目標としていた36号車をドライブしていた関口選手なので、そのコメントを踏襲したクルマにするのは、エンジニアはじめみんなが疑いなくやることができました」と今回セッティングについて、関口の意見を採り入れたことを明かした。
しかし、その関口のコメントを踏まえセッティングされたDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、「いざ乗ってみると、ぜんぜんクルマが違いました」と驚いたと中山は言う。2021年もその方向は試したことがあるというが、さまざまな事情もあり「まるっきりコピーはしていなかった」のだという。