2月9日、キャデラックは2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、ならびにWEC世界耐久選手権でのデビューに先立ち、同ブランドの次世代プロトタイプカー『キャデラックLMDh-V.R』のレンダリングを追加公開した。
2021年8月にアナウンスがあったように、キャデラックの次世代規定車はシャシーサプライヤーのダラーラと共同開発が行われている。この新しいプロトタイプカーは2023年のIMSA GTPクラスとWECのハイパーカークラスに向け、今夏からトラックテストを開始する予定だ。
以前公開されたレンダリングでは、キャデラックLMDh-V.Rがプジョー9X8と同様にリヤウイングを備えていないことが注目された。
しかし、設計自由度の高いLMHル・マン・ハイパーカー規定のマシンである9X8とは異なり、LMP2マシンをベースに低コストで開発を行うLMDhレギュレーションにおいてはリヤウイングを省くことは許されていない。そのため新しいティザーイメージとビデオに描かれた車両では、マシン後方にウイングが取り付けられている。
「新しいレースカーはIMSAとACOフランス西部自動車クラブのレギュレーションを考慮しながら、キャデラックのブランド特性がひと目で認識できるものとなっている。その多くは現在のVシリーズ車両に見られるものだ」と語るのは、キャデラックでリード・エクステリア・クリエイティブ・デザイナーを務めるクリス・ミカラスカス。
「それはフォルムと機能を芸術的に組み合わせ、来たるべきレースカーの開発に影響を与えることだろう。垂直方向に伸びるランプや(前後のフェンダーから車両中央部へ向かう)フローティングブレードなど、キャデラックのブランドDNAの要素が随所に散りばめられている」
キャデラックの副社長であるロリー・ハーベイは次のように付け加えた。
「キャデラックには、トラックの内外でパフォーマンスを成功させてきた長い歴史があり、ファンや顧客に興奮をもたらしている」
「その興奮は昨年、Vシリーズ・ブラックウイングが発表された直後から並外れた需要があったことからも明らかだ」
キャデラックは、Vシリーズに数多くの市販モデルをラインアップしており、最近ではスポーツセダンのCT4-VやCT5-Vに加えてエスカレード-V、サーキット走行が可能なCT4-V ブラックウイング、CT5-V ブラックウイングと、そのラインアップを拡充している。