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「ディエンビエンフー」を軍事支援してほしいド!完全完結計画のクラファン開始

2022年02月07日 23:09  コミックナタリー

コミックナタリー

「ディエンビエンフー 完全完結計画」のイメージ。
西島大介「ディエンビエンフー」を電子版で全巻リリースする「完全完結計画」に続報。未電子化分の残る2冊を制作するためのクラウドファンディングが本日2月7日にスタートした。

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「ディエンビエンフー」の電子版は現在“角川版”1冊、“IKKI版”全12冊、双葉社から単行本が刊行された完結編「ディエンビエンフー TRUE END」全3冊の1巻目という計14冊が、西島大介の個人電子出版レーベル・島島から配信中。「完全完結計画」とは、未電子化となっている「TRUE END」2巻、3巻を含めた全16冊を同一シリーズ「ディエンビエンフー 完全版」としてまとめて読めるようにするというものだ。装丁や本文の写植は、すべて小学館「IKKIコミックス」のものに揃えられる。

クラウドファンディングでは、「ディエンビエンフー 完全版 14 TRUE END」「15 TRUE END」の制作予算となる60万円を募っている。支援コースはヒカル、ティム、ヤーボ大佐、おばあちゃん、お姫さまという同作のキャラクターになぞらえた5種類。各キャラクターからのお礼メール、「西島大介.com」に実装された電子書籍サブスクのクーポン券、電子書籍巻末へのクレジット、巻末クレジットに似顔絵で登場できる権利、単行本着せ替えカバーのプレゼント、作者本人がリターンを宅配したり会食したりするプランなど、さまざまなリターンが用意されている。プロジェクトの締め切りは、ベトナム戦争最大の転換期である米軍完全撤退の日・3月29日に設定された。

なおクラウドファンディングの開始を応援する各界からのコメントも掲載。月刊IKKI(小学校)の元編集長、月刊アクション(双葉社)の担当といった作品ゆかりの編集者ほか、電子書籍取次サービス・電書バトの運営をしている佐藤秀峰、月刊IKKIの製版も請け負っていた共同印刷株式会社もメッセージを寄せている。

■ 江上英樹(元月刊IKKI編集長 / 現合同会社「部活」代表)氏コメント
IKKIの休刊により、多くの作品が途中で掲載誌を失いました。そのうちいくつかは別雑誌に移籍して完結、いくつかは描き下ろしコミックスにより完結することができましたが、未だ完結できていない作品が数本あります。『ディエンビエンフー』もその1本と言えます。もちろん、双葉社版でストーリーは完結したはず(!)ですが、作家的にはまだ終わっていない(!!)ということです。
この度、西島さん本人の力で、本作に真の「エンドマーク」を記そうというプロジェクトが立ち上がったことは「朗報」以外の何者でもありません。しかもハイクオリティー(!?)な「IKKIコミックス仕様」を再現などという“暴挙”を聞かされては、協力せざるを得ません。正直、IKKIの責任者として、連載を全うさせられなかったことは、今でも忸怩たる思いですし、特にその作品を愛読されていた皆さんに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ですので、今回、このプロジェクトの成功によって、皆さんに「島島版TRUE END」を届けられたら、僕としてはようやく肩の荷がおりた気持ちでもあります。
…などと言いつつ、本当は、僕自身が「完全体としてのディエンビエンフー」に出会える喜びの方が大きいのかもしれない。

■ 南部恵理香(双葉社「月刊アクション」担当編集者)氏コメント
西島さんが「双葉社で今度こそ終わらせますよ!」と高らかに宣言されていたのも、つい昨日のことのように感じます。今度こそDBPが完全版TURE ENDに辿り着くことを信じて……!! 今回の西島さんは本気です……!!

■ 佐藤秀峰(マンガ家 / 電子書籍取次サービス「電書バト」運営)
西島さんに初めてお会いしたのは2019年のことでした。
当時、西島さんは広島に住んでいらっしゃって、広島から東京の僕の事務所までお越しいただいて、打ち合わせを行いました。 そこで「ディエンビエンフー」の自家配信の構想を伺いました。
僕の会社は電子書籍の取次業務をやっています。
西島さんは自分の発想を実現させようと意欲がとても高く、そのためのアイデアがあふれ出ている印象でした。
「実現させるために何をすべきか」を常に考えていらっしゃって、行動に迷いが感じられませんでした。
これは実は珍しいことなんです。
電子書籍時代において、多くの漫画家は「作品の電子書籍配信を出版社に任せるべきか」「自分で管理すべきか」と迷っています。 利益相反する部分もあるわけで、「自分でやったら良いことがありそうだな」と感じつつも、出版社の顔色も気になるのです。それが普通です。
西島さんは「自分でやる」ことは決まっていて、それを出版社も巻き込んで実現させようとします。そして、出版社も西島さんを応援してしまう。結果的に丸く収めてしまう。それはこのクラウドファンディングにコメントを寄せている顔ぶれを見ても分かります。
不思議な方だと感じます。
西島さんがどこまで行けるのか見たくなるのです。 そのために自分に応援できることがあればしたくなっちゃうんですよね。
このクラウドファンディングに興味を持った人は、僕と似た気持ちを持っている人たちなのかもしれませんね。
西島さんが実現する世界の先を見てみたいと思いませんか?

■ 内田純希(共同印刷株式会社)氏コメント
製版作業の依頼は通常なら出版社さんを介して弊社にいただくものですが、クリエイターの方から直接依頼を受けたのは西島さんが初めてのことでした。ですから最初に西島さんからメールをいただいた時はたいへん驚きましたし、同時に、氏のプロジェクトへの尋常ではない熱意を感じました。
「IKKI仕様での統一」という並々ならぬこだわりに敬意を表しつつ、そのIKKIの製版を請け負っていた弊社として、このプロジェクトを最大限サポートします!