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夏まで「部活一筋」だった生徒、受験本番で力を発揮する3つの理由

2022年02月07日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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個別指導塾を経営・運営し、1500人の生徒をサポートした、プロ家庭教師の妻鹿潤です。受験シーズンもいよいよ本番。今年もまた、「部活一筋」だった生徒たちが引退後、急激に学力を伸ばす姿を見てきました。部活に力を入れていた生徒たちの中には、わずか4?5カ月で驚くほど成績を上げるケースがあります。

なぜ、そんなことができるのでしょうか? 16年間の経験で見えてきた、成功する生徒たちに共通する3つのポイントをご紹介します。

重要なのは「ガチでやりきった」経験

〈成功ポイント1:強い自己肯定感〉

部活をガチでやっていると、スランプもありますし、「これは無理だろう」と思える相手や大会に挑むことが何度もあります。部活ガチ勢が強いのは、そうした困難を何度も乗り越え、少しの失敗・落ち込みでは右往左往しないメンタルを手に入れているからです。

たとえ最終的には敗退したとしても「努力して、実力を身につけた経験」は、自信につながります。この強い自己肯定感は、受験でも強力な武器になります。

現役生は、受験直前までD-E判定が続くことも多い。そんな中でも「自分は大丈夫」と信じて、努力し続けられるメンタルの強さは大切です。

逆に、ささいなことでメンタルが崩れやすい人は、そのたびに集中力が下がり、勉強の質が落ちていきます。最悪の場合、「問題集が悪い」「塾が悪い」などと焦ってしまい、それがかえって大きなロスになるケースもあります。

テストの最中にも、諦めないメンタルは必要です。

受験では難関校になるほど「パッと見て答えられる問題」が減り、「考えないと解けない問題」が増えます。大学だとGMARCHや関関同立レベル以上で、こういった問題の出題率が増えてきます。

そうした問題を解く際、一番大事なのが落ち着いて考えることです。問題を見て「分からない」とき、「もう無理」とパニックで思考停止になってしまう人と、「こう考えたら解けるかも」と一歩踏み込んで考えられる人とでは、最終的に大きな差がつきます。

受験本番では、分からない問題が続いたり、予想外の問題が出たり、慣れない会場で雰囲気に飲まれたり、といったことは多々あります。そんなとき、不安な気持ちに引きずられてしまうと、本来の実力を出しきれません。

一方でガチで部活に取り組んだ生徒は、予想通りに行かないピンチの状況や、勝負どころでの緊張感をすでに経験済みです。人によっては、逆にその緊張感を程よい刺激として「120%の自分を乗せてくる」ことまであります。

〈成功ポイント2:地道な努力が苦にならない〉

部活ガチ勢は、部活に全力を捧げ「やり切った」充実感を覚えています。そのため、いったん「これからは受験」と気持ちを切り替えたあとは、他の誘惑に惑わされにくくなります。

「努力で大きな壁を乗り越えた」という経験があれば、「1日10時間以上勉強」「同じ教材を繰り返し解く」「受験まで趣味はガマン」といった地道な努力も、あまり苦になりません。集中力や思考力も部活で培われており、勉強の質も高い傾向にあります。

〈成功ポイント3:弱点→改善がうまい〉

なまじ早期から勉強に力を入れていると、受験期になってもプライドに引きずられ、効率の悪い自己流にこだわるなどで、成績が伸び悩む生徒がいます。

一方、「勝つ」ことを目指すガチ部活では、自分の「できなかった点」「弱い点」を素直に受け止めて、改善することが求められます。強くなるため、他の選手やライバルの良い点を研究し、真似することも平気です。そのため、ガチ部活生は受験でも同じように改善を繰り返し、短期間でどんどん向上していく傾向があります。

受験はこれから、続々と本番に突入しますが、こういう生徒は最後の瞬間まで伸びます! 強いメンタルで乗り切ってください!

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近影

【筆者プロフィール】】株式会社STORY CAREER取締役 妻鹿潤(めがじゅん)
関西学院大学法学部卒。塾コンサルタント・キャリアコンサルタント・プロ家庭教師などを通してのべ1500人以上の小中高生、保護者へ指導・学習アドバイスを行う。
大手教育会社時代は携わった教室が10か月で100人以上の生徒が入会する塾に。しかし志望校合格がゴールの既存教育に限界を感じ、「社会で生き抜く力」を身につける学習塾を起業。40~50点の大幅な点数アップを実現し、生徒のやる気を引き出すメソッドを確立。入塾待ちの塾となる。
現在はキャリアコンサルタントとして企業の採用支援、大学生・社会人のキャリア支援を行う。ほかにも塾コンサルティング、プロ家庭教師、不登校・発達障害の生徒の個別指導なども行っている。