受験はその後の人生にも大きく影響してくるが、当時は納得いかなくても後から考えると正しかったということもあるだろう。キャリコネニュースの「受験エピソード」をテーマにしたアンケートに、大阪府に住む50代前半の男性から貴重な経験談が届いた。
※キャリコネニュースでは「あなたの受験エピソード」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/YCRMAP5Y
現役時代より大幅に点数は上がったけど……
現在ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ/年収750万円)として働く男性は、「現役時代に共通一次の最終年で、浪人時代にセンター試験一年目を経験しました」と振り返る。
「センター試験は一年目は、最初の年という理由からなのか、全教科、現役時代にうけた共通一次よりも大幅に問題は簡単だった様子でした。全教科とも平均点はだいぶあがったと記憶しています」 「私自身も、現役時代より大幅に点数はあがったのですが、ただ、数学だけ大ポカしてしまい、理系なのに数学I 81(偏差値 51) 数学II 42(偏差値 38) 合計 123(偏差値 43.7)という状況で、非常に途方に暮れた記憶があります」
男性は、当時まだ19才。将来については「技術者か科学者のような理系の職種。コンピュータの時代が来そうだから技術者なら情報系・あるいは電気系、科学者なら物理系っぽい研究」という、「非常に曖昧な将来像しか持っていなかった」と明かす。それだけに、合格することを優先し志望学科については柔軟に考え直したようだ。
「出願直前、第一志望を倍率の低い学部に変更」
男性は「大失敗したセンター試験の結果を受け」、こんな選択をしたという。
「進みたい学問というよりは、行きたい大学を優先させて、国立の第一志望は、出願直前に第一志望だった電気工学科から、ホンの少しだけ志望倍率の低い理学部へと変更し、無事に合格しました」 「私の行きたかった大学は、センター試験の数学の比率が低かったので、ミスした分も圧縮されたため、全体として、ボーダーラインの真上だったという記憶があります」
結果的に正しい判断だったことを示した男性は、その後をこう書いている。
「大学では電気工学とか物理学とは全く違う、惑星科学を選択し、大学院も修士まで進み、研究でUNIX/C言語を使ったという経緯から、IT系の会社に就職し、今に至ります」
一貫したキャリア形成とは言い難いかもしれないが、入った先で今に繋がるスキルを身に付けていったことは確かだ。男性は過去の自分と現役受験生に思いを馳せ、最後にこう綴っていた。
「今年の共通テスト数学が史上一番くらいに難しかったというニュースを見るたびに、当時、簡単な問題だったのに、大ミスして低い点しかとれなかった自分のことを思い出します。現役の人は初志貫徹して浪人も覚悟で第一志望を優先するという作戦もありだと思いますが、柔軟に考えを変えるというのも、私の場合はありだったかなと今は思います」