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先が見えない不妊治療、仕事・プライベートとの両立がしんどい

2022年02月06日 15:51  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「先が見えない不妊治療、仕事・プライベートとの両立がしんどい」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者であり、大手企業の社外取締役としてもダイバーシティを確保するための人材育成・環境整備などに取り組む山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。



22回目の相談者は、インフラ系の会社で総合職・フルタイム勤務をしているともみさん(36歳)。本業のほかにも、不動産投資で賃貸経営をしたり、ボランティア活動をしたり、充実した毎日を送っているものの……1年ほど前から始めた不妊治療で心身ともにしんどくなっているといいます。

○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

仕事と不妊治療の両立に悩んでいる方が増えている昨今。ともみさんの場合、さらに副業とボランティア活動までが生活に加わり、治療とどのように向き合うべきか悩みが深まっているとのこと。山下さんの回答は……?


●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?


『譲れないポイント』と『そぎ落とせるポイント』を見極めて、手放せるものは手放しましょう。すぐに答えが出せず心の中でどっしりとした存在感を持ち続ける"どっしり系"案件に気持ちを引っ張られないスキルを育てられたら、きっと生きやすくなりますよ!


山下さん: 不妊治療は、努力しただけ結果に結びつく可能性はあるものの、自分の力ではコントロールできない部分も大きいですよね。ともみさんにとっての不妊治療は、すぐに答えが出せず心の中でどっしりとした存在感を持ち続ける"どっしり系案件"と言えるのかもしれません。

仕事や家庭において複数の未解決案件を同時並行で抱えているワーキングマザーは多いと思いますが、こうした"どっしり系案件"に気持ちを引っ張られすぎないスキルを育てられたら、もっと生きやすくなるのかなと感じました。



ともみさんは「低エネルギーで働いている」とおっしゃっていますが、お話を聞いている限り、本業を"がんばっていない"のではなく、"計画的にがんばっている"のではないかと感じました。



副業・趣味・家事・育児などをしながらフルタイム勤務を継続できているということは、本業だけにパワーを持っていかれないように、ものすごく気を遣って、頭を使って仕事をしているのだと思います。例えば、トラブルを未然に防ぐ努力をしたり、締め切りに迫られないように早めに仕事にとりかかったりといったことです。



このように、それぞれの活動を大事にしながら、上手に頭を切り替えられるともみさんだからこそ、不妊治療に関しても気持ちの切り替えを意識できると、心持ちが変わってくるかもしれません。


●自分を苦しめているこだわりを手放せたら楽になる
○自分を苦しめているこだわりを手放せたら楽になる



山下さん: それから、何においても『自分で決めて、自分だけで勝手にこだわっていること』ってみんな少なからず持っていて、それが自分自身を苦しめているケースがあると思うんです。ともみさんが行っている活動の中で、何か一つでも自分を苦しめているこだわりが手放せたら、楽になるかもしれませんね。



ともみさん: そう考えると、不妊治療で毎月通院していたのですが、隔月通院に変えてもいいのかなと思いました。不妊治療をやめるのではなくて、自分の生活の中に組み込んで続けながら、休む時間をとる選択肢もありますものね。



山下さん: そうですね、一度自分が決めた基準をゆるくしてみるのもいいと思います。まずは"試してみる"ことから始めてみませんか?

例えば、家事を手抜きしてみようと考えて掃除の頻度を落としたら、本当はきれい好きなのに部屋が汚くなって逆にストレスになった、というケースもあるかもしれません。試してみて初めて、掃除の頻度を保つことは自分にとって『譲れないポイント』だとわかります。反対に料理や洗濯の工数を減らしてみたらうまくいったということであれば、それは『そぎ落とせるポイント』です。



ぜひ仕事や家事・育児、プライベートな活動の中でも『譲れないポイント』と『そぎ落とせるポイント』を探してみてください。小さなことで構いません、こだわりを一度手放してみることで、自分を楽にしてくれる大きな気づきや発見が得られるかもしれませんよ。


○山下真実


株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。

米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。


○比恵島由理子


イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。