ランボルギーニのモータースポーツ責任者であるジョルジオ・サンナは、ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoをさらに進化させた“Evo2モデル”が現行車とは「まったく異なる」ものになると語った。
イタリアのスーパーカーメーカーは、登場から4年目を迎えた現在もグローバル展開され、世界各地のGT3レースで活躍しているウラカンGT3 Evoに取って代わる第2世代のEvoモデルを2023年に発表する予定だ。
レーシング仕様ウラカンの足跡は2015年シーズンに先駆けてリリースされた初代GT3モデルの導入まで遡る。
サンナは新しく登場する予定の車両が現行型の“進化形”であるとし、ウラカンGT3 Evoからのアップデートも可能であるとしつつ、ランボルギーニから間もなく発表される予定である車両のデザインの劇的な変化に基づき、ウラカンGT3 Evo2もまったく新しいクルマのように考えていると述べた。
「専用キットで既存のマシンをアップデートすることが可能であるため、Evo2と名付けた」とSportscar365に語ったサンナ。
「しかし、デザインやエアロダイナミクスといった面では、現行のクルマとは大きく異なるものになるだろう」
「車名を維持し、シャシーも同じものを使用する。だからEvoなんだ。だが、我々は多くの作業を行い、私たちの観点から基本的に新しいクルマを作った。見た目はまったく新しいクルマとして登場することになる」
サンナは、ウラカンGT3 Evoの第2世代の発表が近づいていることを確認したが、正確な日付は明らかにしていない。
一方、彼はクルマは完成しているとし、現在はテストプラグラムが進行中であり、開発チームが耐久テストと最終的なシステムの検証に集中していると説明した。
「とても順調に進んでいる。ホモロゲーションの登録もすでに終わっている」と同氏。
「目標はウラカンSTOのような我々のポートフォリオにあるテクノロジーや、製品に密接に関連した新しいクルマを開発することだった」
「私の考えでは、非常に興味深い多くの新しい技術的特徴を見ることできる。また、私の目から見るとこのクルマは『ベリーナイス』だ。将来のお客さまにとっても非常にポジティブなものになると思う」
「クルマの費用とランニングコスト(パフォーマンス)は、依然としてこのマーケットでは最高の部類に入る」
「ウラカンGT3 Evo2は、私たちにとっては基礎となるクルマだ。なぜなら、それは我々の次の4年間のレース活動を支えていかなければならない車両だからだ」
■年内のテスト参戦は未定。2023年1月のデイトナでデビューの可能性も
ウラカンGT3 Evo2のレースデビューはまだ決まっていないが、サンナは2023年のグローバル展開に先立ち、2022年内のレース出走を確定させることには消極的であるようだ。
GT3ブランドは通常、カスタマーチームとともに市場投入前のクルマを24HシリーズやNLSニュルブルクリンク耐久シリーズなどのレースに送りこみ、競争の激しい環境で新車のシステムをテストするのが一般的だ。
しかし、サンナはウラカンGT3 Evo2でのこの動きを否定した。
「現時点では週末のレースでデビューする必要があるとは考えていない」
「シーズン中に決めることになるが、正直なところ2023年までにデビューすることが義務付けられているわけではないし、2022年シーズンは非常に長いテストスケジュールをこなさなければならない」
「シーズンが終わる前に評価を行い、1レースには出るかもしれない。そうでなければ正式なデビューは2023年のデイトナになる。同時にドバイ24時間レースについても考える必要がある」
「しかし、いずれにせよ我々は開発のループを閉じ、新しいクルマの生産を開始して時間内にチームに納入することに重点を置いている。それはほとんどの人が忘れている、つねに大きな課題だ。年末には最初のクルマのデリバリーを開始する」