トップへ

元プロボクサー、フロイド・メイウェザーJr.が新チーム創設。開幕戦デイトナ500参戦へ/NASCAR

2022年02月03日 13:10  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

現役時代の愛称を冠した、その名も"The Money Team Racing(ザ・マネー・チーム・レーシング/TMT)"を創設したフロイド・メイウェザーJr.
元プロボクサーで5階級制覇を達成し、世界のスポーツ長者番付でNo.1を記録してきたフロイド・メイウェザーJr.が、自らのチームを立ち上げNASCARカップシリーズへの参入を表明した。現役時代の愛称を冠した、その名もザ・マネー・チーム・レーシング(TMT)を創設し、2022年開幕戦のデイトナ500を皮切りに複数の「厳選されたイベント」への参戦を表明している。

 2月初旬に開催されるロサンゼルスでのエキシビジョン戦を経て、2月20日に伝統のデイトナ500で幕を開けるシーズンに向け、TMTレーシングは新規定“Next-Gen”採用のシボレー・カマロ50号車をスタンバイし、若手有望株カズ・グラーラを起用する計画を発表した。

 チームは、ベテランのトニー・エウリーJr.のチーフクルー就任も発表し、メインスポンサーはソルトレイクシティを拠点とするサングラスメーカーのピットバイパーが担当する。

 2020年3月に自身のSNSで最初のプランを明かしていたメイウェザーだが、44歳のボクシング・レジェンドはかつてのスターコム・レーシングをベースに、ゼネラルマネージャーを兼務する共同所有者のウィリアム・オーチムーディと連名でチーム運営を担う。

「俺は速いクルマが大好きで、互いに競争し、戦うことも愛している。NASCARは簡単でないことはわかっているが、簡単なことは俺にとって価値がない」と、チームのリリースを通じてコメントした“TBE(The Best Ever)”ことメイウェザー。

「とはいえ、このモータースポーツ最高峰への挑戦は“メイウェザー・ブランド”にはピッタリのようだ」

 2017年のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ開幕戦で勝利を挙げているグラーラは、2020年のデイトナでカップシリーズ・デビューを果たすと、オースティン・ディロンの代役としてリチャード・チルドレス・レーシングのシボレー・カマロ3号車をドライブし、7位フィニッシュを記録している。

 また2021年のカップシリーズでは、カウリグ・レーシングから3戦に出場し、2022年に向けてはアルファ・プライム・レーシングとXfinityシリーズでのパートタイム契約を結んでいた。

■カーナンバーの50は、メイウェザーが記録した「50戦無敗」の数字と一致

「フロイド・メイウェザーがNASCARに参入する記念すべき1戦に、僕がステアリングを握れるなんて本当に光栄だ」と語った23歳のグラーラ。

「僕らのスポーツはグローバル化し、新しい視聴者に届く本当にエキサイティングな時期だ。フロイドが勝つためにここにいることを知っているし、僕を含めこのプログラムに関係する誰もが絶対にそれを実現することができると感じている」

「新しい組織として一緒に成長するのに時間がかかることはわかっているが、このチームをゼロから構築する瞬間に立ち会えるなんて、これ以上ワクワクすることはないね!」

 クルーチーフを務めるエウリーJr.は、デイル・アーンハートJr.とともに2回のカップシリーズ優勝を果たしており、ピットボックス上で最後に仕事をしたのは、ダニカ・パトリック最後のカップシリーズとなった2018年のデイトナ500、プレミアム・モータースポーツでの1戦となっていた。

 また、カーナンバーの50番は2012年のカップシリーズで最後に使用され、殿堂入りしたビル・エリオットが、その年の7月に最後のカップ戦スタートでその番号を使用している。この“50”というナンバーはメイウェザーがプロボクシング界で記録した「50戦無敗」の数字とも一致する。

「この“ディール”は久しぶりで、ようやくスタートラインに立つことができた。我々のプロジェクトが進もうとしたそのとき、世界的大流行を含む“何か”が起こったんだ」と語ったゼネラルマネージャー兼任のオーチムーディ。

「フロイド・メイウェザーから学んだことのひとつは、ときに最高の攻撃が素晴らしい防御になるということだ。そして今、我々は2022年のデイトナ500で最初のレースに出場する。我々にとって船出となるレースにとても興奮しているよ」

 グラーラは2月16日から始まるスピード、そしてデュエルレースの予選セッションを通じて、2月20日のシーズン開幕戦デイトナ500本戦への出場権を勝ち獲る必要がある。