「マンガを生み出す現場の人間が、一番面白いマンガを知っている」というコンセプトのもと、各マンガ誌編集長ら総勢76人にイチオシマンガを紹介してもらうこの企画。2021年1月1日から12月31日までに単行本が発売されたマンガ作品を対象に、コメントをもらった。第1回では恋愛マンガからダークファンタジーまで幅広いジャンルの27作品がラインナップ。マンガのプロたちによる珠玉の作品をとくとご覧あれ。なおこのコラムは全3回でお届け。掲載順は各マンガ誌代表名の五十音順となっている。
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■ 有田加津代(月刊オフィスユー編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「隣の男はよく食べる」美波はるこ
有田氏コメント:恋から遠ざかっている大人女子は、一体いつ、どうやって次の恋にたどり着くのでしょう? この漫画にその答えがあります。主人公の麻紀は30代半ば、男いない歴約10年。助けてもらったお礼に隣人の年下男子にご飯をご馳走したら、美味しい! とすごく喜ばれ、互いの部屋を行き来する仲に。でも恋が久しぶり過ぎる麻紀は「今すぐ抱きたい」という本宮に、どう応えるのが正しいのか大悩み。ふたりが織りなすリアルな会話は胸に刺さります。いくつになっても恋は最高に楽しい、そう思わせてくれる大人がときめくラブストーリーです。
■ 飯島直樹(電撃マオウ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「私を喰べたい、ひとでなし」苗川采
飯島氏コメント:望む死の形を得るために、人喰いの妖怪好みに生きようとする少女の歪んだ成長奇譚。話が進むごとに謎が謎を呼び、結末が予想出来なくなる今大注目の百合作品です。成長の果てに少女が得るのは、生の喜びか死の愉悦か──。一見ドライに見えつつも、捕食者と被捕食者の関係が生み出す愛や恋すら超越した巨大感情を、ぜひご堪能あれ!
■ 石純一郎(ヤングガンガン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「その着せかえ人形は恋をする」福田晋一
石氏コメント:コスプレしたいギャル×衣装が作れるぼっち男子という、ありそうでなかった関係性が、男女問わず多くの人の青春への憧れを叶えてくれる、王道ラブコメです。TVアニメも2022年1月からスタートして更に注目を集め、ヒロインの海夢の明るい性格とコスプレへの情熱、そして恋する乙女な一面に「かわいすぎる…!」との声が続出!! 表紙イラストからも分かる、絵の美麗さも合わせて必見です!!
■ 石川美紀(ウィングス編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「東の森の魔女の庭」越田うめ
石川氏コメント:巨大動物好きな人には絶対刺さる!見上げるほど大きな黒猫・ねことねこが拾ってきた竜たち。そして究極のツンデレ魔女・おばあちゃんと、養い子のイストとエルセの兄妹。三人と動物たちの繰り広げる、一味変わったほのぼのファンタジーです。無愛想で口の悪い、けれどやさしいおばあちゃん魔女がかわいく、魔女友(ちょっとした事故で外見は若い娘)との百合っぽいやりとりにもほんわか。意外にたくましい兄妹たちの成長ものとしても楽しめます!!
■ 今成正樹(電撃だいおうじ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「異刻メモワール」るん太
今成氏コメント:「異世界」にもいろいろありますが、この世界で描かれる異世界はまさに「異」な世界。建物も食べ物も衣服も人(?)も、どこにもない、だけどどこかで見たような、そんな「異」な気持ちにさせてくれる作品です。装丁にもこだわっていますので、ぜひ紙の本をお手元に!
■ 梅澤丈文(ヤングチャンピオン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「信長を殺した男~日輪のデマルカシオン~」明智憲三郎(原案)、藤堂裕(漫画)
梅澤氏コメント:明智光秀を主役に据えた「信長を殺した男~本能寺の変431年目の真実~」の続編「日輪のデマルカシオン」は「豊臣秀吉」が主役。誰もが名を知る男の、誰も知らない一面が再び描かれる。日本という国が世界史に現れるのは明治維新後、近代においてから……という共通イメージを真っ向から塗り替える。これは「秀吉」と「世界」の戦いを描く物語だ。そして「世界」とは何も外国だけではない。武家社会という固定化された階級社会。その「世界」と秀吉はどう戦ったのか、でもある。時に醜く、時に美しく。秀吉という男が乱反射させる欲望と生の輝きは、現代の日本人とその社会を痛烈に照らしてくる。
■ 榎谷純一(月刊コミックバンチ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「怪獣自衛隊」井上淳哉
榎谷氏コメント:今一番面白いイチオシ漫画は「BTOOOM!」の井上淳哉さん最新作「怪獣自衛隊」です。リアリティを追求した緻密な描き込みはもちろんのこと、巧みなストーリーテリングで読者を掴んで離しません。そこに設定考証家・白土晴一さんの自衛隊知識が加わったことで最高の知的エンターテインメントに仕上がっています。想像もしない非常事態が起こり、対応に迫られる政府……右往左往する人々。まさにコロナ禍の問題にも通じるテーマです。続きが待ちきれない読者に嬉しい3ヶ月に1冊の刊行ペース。これは映像化待ったなしでは!? 本当にお勧めです。
■ 大嶋一範(少年サンデー編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「よふかしのうた」コトヤマ
大嶋氏コメント:夜の住人・吸血鬼の七草ナズナと、ナズナに「吸血鬼にして欲しい」と頼む中学2年生の夜守コウ…ふたりぼっちの、特別な「よふかし」の行く末は?コトヤマ先生の魔力溢れる絵の力と、夜の世界のあやしい楽しさ、ドキドキ満載のこの作品が2022年の激推しです。今年7月にはフジテレビ・ノイタミナ枠にてTVアニメ化も決定。イッキ読み推奨です!
■ 小澤健志(ドラゴンエイジ/ヤングドラゴンエイジ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「テンタクル・ホール」千賀史貴(原作)、石田和真(作画)
小澤氏コメント:異世界モノは数あれど、触手が主人公なのは、この漫画だけではないかと! 激しく、カッコいいアクション描写も見所ですが、官能的なシーンも盛り沢山で、あらゆる意味でおいしいところを押さえた作品となっています。主人公・仁とヒロイン・小町の関係がどうなっていくかも気になるところなのですが、物語の中心にある巨大穴・ビルバイム深孔に隠された秘密も追いかけたくなること間違いなしです。異色のダークファンタジー、是非、ご賞味あれ!
■ 乙黒和彦(別冊少年マガジン編集チーフ)の2021年イチオシマンガ
□ 「菌と鉄」片山あやか
乙黒氏コメント:「進撃の巨人」諫山創先生絶賛!別マガ一押しのダークファンタジー新作です!片山先生は少年誌の連載は初めてながらも、書店さんからの大きな声援を受け、まだ1巻しか刊行されていませんが、重版出来の嵐です。青田買いするには今です!舞台はなんと菌類に支配された世界。主人公はそんな絶望に抗う少年。どう展開していくか予想のつかない物語がセンスあふれる筆致で描かれる骨太な力作です。きっとあなた読み終わった後、言いたくなるはず──「アミガサ万歳!! 」。
■ 桂田剛司(月刊ヤングマガジン編集チーフ)の2021年イチオシマンガ
□ 「テンカイチ 日本最強武芸者決定戦」中丸洋介(原作)、あずま京太郎(漫画)
桂田氏コメント:最強人類決定戦!古くは山田風太郎の「魔界転生」、最近だと神々とのバトルになってしまうが「終末のワルキューレ」。強い者同士のタイマンは読んでいてワクワクする。そんなジャンルに新たに殴り込みをかけるのが「テンカイチ 日本最強武芸者決定戦」。「天下一の武芸者を連れてきた者に日ノ本をあげる」と信長が言ったために、権力者たちが最強の漢を用意し、天下獲りのトーナメント戦が始まった。とにかく登場人物の面構えがカッコいい。絵に華があって、仕合にのめり込んでしまう。これぞ、現代最強“漢タイマン漫画”である!
■ 加藤浩嗣(少年エース/ヤングエース編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「帰ってください! 阿久津さん」長岡太一
加藤氏コメント:オタクに優しいヤンキーギャルに、一人暮らしの自宅を溜まり場にされてとても困っています──いや困らないよ!溜まってくれて私は一向にかまわん!裏表がなくてちょっと意地悪な阿久津さんと二人っきりで、ダラダラと放課後を過ごしたい…そんな青春シチュエーションに少しでも共感できるなら、是非ヤングエースUPで無料公開分を読んでみてください!累計1700万再生突破のボイスコミックもオススメです☆
■ 門脇拓史(まんがタイムきららキャラットデスク)の2021年イチオシマンガ
□ 「紡ぐ乙女と大正の月」ちうね
門脇氏コメント:大正時代にタイムスリップしてしまった女子校生・紡は、右も左もわからない中で公爵令嬢・唯月に拾われて、約100年前での日々を過ごしていくことになります。煌びやかな上流社会にありながら、我々現代人には想像しがたい悩み・苦しみを持っているのが華族令嬢というもの。そんな世界にただのJKがやってくることで生まれる変化は、そして“エス”と呼ばれると呼ばれる少女たちの関係性も絡み合っていき──。これ以上の説明は野暮になりますので、是非ご一読くださいませ。
■ 金井暁(月刊アフタヌーン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「青野くんに触りたいから死にたい」椎名うみ
金井氏コメント:2022年3月からWOWOWオリジナルドラマがスタートする「青野くんに触りたいから死にたい」、アフタヌーンで連載中の本編は今、最終章が超シビアに盛り上がっています。交際が始まったばかりの青野くんが死んじゃって、優里の前に幽霊として現れた瞬間から、優里の本当の“生”が始まったんじゃないかと思います。愛おしさが哀しくて、一途さが残酷なこの物語は、読んだ者に壮絶な崖っぷちを見せてくれます。人を好きになる覚悟を味わえる、傑作です!
■ 菊池一(ビッグコミックスペリオール編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「フールナイト」安田佳澄
菊池氏コメント:厚い雲に覆われ日が差さなくなった地球。植物も枯れ酸素も薄くなった世界。人類は、人間を植物に変える「転花」という技術を開発し、わずかな酸素を作り出して生き延びていた。そんな世界で貧困にあえぐトーシローは、カネと引き換えに自ら「転花」することを選択する…。遙か未来のSFでありながら、底流に現代人の「渇き」を映し出す傑作です!作者の感性と圧倒的想像力が生み出す独特の世界観の中で、「人はどこから来て、どこへ行くのか…」が深く問われます。SF×ドストエフスキーといった感じでしょうか。筆力も素晴らしい。是非!!
■ 窪田健一(月刊ガンガンJOKER編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「賭ケグルイ双(ツイン)」河本ほむら(原作)、斎木桂(作画)
窪田氏コメント:昨年の実写ドラマ化に引き続き、アニメ化が発表された本作。「賭ケグルイ」本編の1年前を舞台に、シリーズの人気キャラ・早乙女芽亜里の活躍を描くスピンオフ作品です。賭ケグルイ本編の主人公・蛇喰夢子がギャンブル狂なのと対象的に、早乙女芽亜里は負けん気が強いだけのごく普通の少女。そんな彼女が、ギャンブルに支配された私立百花王学園で自らのプライドを貫き通すために戦うさまは、本編以上に少年マンガらしく読む者の胸を熱くさせます。本作の凛々しい芽亜里が、どうやって賭ケグルイ初期の敵役になっていくのか…。その様子が徐々に描かれつつある最新話の展開に要注目です。
■ 黒澤(まんがタイムオリジナル編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「ILY.」なるめ
黒澤氏コメント:孤独で自暴自棄な青年の元に高校時代の恋人・愛理が当時のままの姿で現れる。見た目は愛理だけど明らかに別人の少女は謎だらけで…。全ページフルカラーで描かれ、ひんやりとした青の美しい色合いやドット絵のような絵柄が、夜中に目覚めて眺めるテレビのような異世界感を醸し出しています。謎の少女の正体や心境の変化等、ゆっくりと明かされていく謎、先の見えない展開で今一番楽しみな作品です。
■ 河野謙一(ガンガンONLINE編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか?」君塚力(原作)、日丘円(作画)
河野氏コメント:学生時代に凄惨ないじめを受けた主人公。20年後、大人になった彼は学校の先生に。さらに、かつて自分をいじめていた相手の娘の担任に。しかし今度は、その子がいじめの標的になっていて…?法で裁けないいじめ加害者を、執念と策略で社会的に追い詰める復讐の物語。続きが気になって、アプリで大人気!今年に入ってクライマックスに向けた注目の展開で、ますます目が離せない作品です!同作者コンビの前作「僕の名前は『少年A』」も要注目です!
■ 河野万里子(ココハナ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「はじめてのひと」谷川史子
河野氏コメント:待っていても王子様は現れない。好きになった人と必ずしも結ばれるわけじゃないし、むしろ恋なんてしないほうが幸せなのかも…少女漫画を読み、信じてきた素敵な未来が誰にでも訪れるわけじゃないと分かってきた、大人の女性たちに(そして隠れ乙女心を持つ男性たちにも)是非読んでもらいたい作品です。少女漫画の名手・谷川史子さんが描いてきた作品群の中でも最もビターな物語が詰まったオムニバスシリーズ。大人になってももがき続けることは決してカッコ悪いことじゃないと、優しく励ましてくれるような名作です。
■ 河野万里子(ザ マーガレット編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「マルタの恋」北野とも
河野氏コメント:大学受験に失敗し両親に見放された丸田風右子。カフェでバイトをはじめたものの何も自分で判断できない指示待ち人間のマルタは立ち尽くすばかりで…一見、この子大丈夫?と心配になるレベルでヤバい主人公。だけど、読んでいると思い出します。彼女の戸惑いや不安は自分にも覚えのあるものなのだと。コミュ障だけどどこまでも一生懸命な、絶対に応援したくなる主人公がここにいます。そしてそんな彼女を見守るバイト先の篠原先輩がカッコいい。まっすぐ生きていけば、差し伸べられる温かな手は必ずあるのだと、信じさせてくれる良作です。
■ 小泉浩志(月刊ビッグガンガン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「BADON」オノ・ナツメ
小泉氏コメント:イチオシマンガは「月刊ビッグガンガン」にて連載中のオノ・ナツメ先生作「BADON」です。4人の元・囚人が出所して始めた高級煙草店。そこで起こる様々な事件と紐解かれていく4人の過去。男の渋さを描いたらピカイチのオノ先生ならではの、ダンディで心に残るドラマが展開されていきます。洒落た会話や変化する人間模様は、ストーリーが1巻ごとに完結する構成と相まって、上質な洋画を鑑賞したような読後感を各巻ごとに与えてくれます。
■ 小山芳弘(チャンピオンRED編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「はるかリセット」野上武志
小山氏コメント:皆さん、忙しいですか? 疲れてないですか? 多忙すぎる現代人、仕事に追われ、休憩時間もSNSをチェックし、たまの休日には疲れて何もやる気がしない…心当たりある人、いますよね? そんなあなたにおすすめしたい「はるかリセット」! 主役は、売れっ子作家の春河童先生こと天野はるか。仕事に煮詰まると、彼女は強制的に自分をリセット。ご近所散策、昼ビール、銭湯、近場グルメ、マッサージ、サウナ…無理して遠出しなくても、わずかな時間でも、日常のスキマに楽園は隠れてる! こんな時間を過ごしてみたいと思うこと、間違いなし!
■ 齋藤功衛(ミステリーボニータ編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「海が走るエンドロール」たらちねジョン
齋藤氏コメント:「このマンガがすごい!2022」オンナ編第1位受賞作です。65歳の未亡人が映画制作の世界へとダイブすることになるというこの物語は、すべての人の背中を押す力を持っていると思います。「65歳」「未亡人」「映画制作」は誰にでも何にでも代入可能です。この物語はあなたの人生の物語でもあります。何かに迷ったり立ち止まって考えなければいけない時に、きっとこの作品は活力を与えてくれるでしょう。最新2巻は2月16日発売です。物語の幕は上がったばかり。エンドロールまで、ともに見届けましょう。
■ 齋藤孝太(デジタルマーガレット編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「ここからはオトナの時間です。」つきのおまめ
齋藤氏コメント:大人になっても王道少女なOL主人公・みかんと、頼もしくも優しくみかんを包み込むスパダリ部長・和音のピュアなやりとりがとにかく可愛い。それに加えて、マーベル映画「ヴェノム」のような意地悪でどこか憎めない謎の悪霊が二人の不器用な恋愛を加速させる“ありそうでない”今一番気になるちょっとオトナの恋愛少女漫画。悪霊が憑依すると、みかんも和音も相手に対してダイタンに…ギャップでドキドキできる見せ場もたっぷり。色々気になる秘密も散りばめられており、2人の恋の行方を美麗で可愛い絵で十二分に楽しめる意欲作です。
■ 下村裕一(月刊少年ガンガン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」matoba
下村氏コメント:一人暮らしの男子高校生、徳光森太郎。彼が自宅のベランダで出会ったのは、清楚で優しい女の子「とわ」。けれど彼女の正体は実は天使で…!? この天使のとわが天然だけど健気にいつも主人公を肯定し、応援してくれる、そんな姿に癒されます。無垢な二人が一つの部屋で一緒に暮らす、その距離感にニヤニヤできる、今おススメの同居ラブコメです。
■ 信田敬介(月刊少年チャンピオン編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「自転車屋さんの高橋くん」松虫あられ
信田氏コメント:弊誌月刊少年チャンピオンで「烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ」がヒットを飛ばし、改めて異世界パワーをヒシヒシと感じた2021年ではありましたが、いち漫画ファンとしては遼平くんとパン子さんの動向にクギ付けであります。3巻が出た頃に本書の存在を知り一気読み。年甲斐もなく二人のやりとりにドキドキしております。人生の折り返し地点をとうに過ぎたオッサンとしては、二人の幸せしか願っておりません。何気に遼平くんのヤンキー具合が結構リアルなので、「クローズ」大好きな私でもハマれるのかなと思いました。
■ 鈴木海斗(comic POOL編集長)の2021年イチオシマンガ
□ 「恋する(おとめ)の作り方」万丈梓
鈴木氏コメント:「電子コミック大賞2022」 男性部門も受賞した本作ですが、男性だけでなく老若男女関わらず、今の時代を生きるすべてのときめきたい人におすすめしたい一作。コスメ大好き男子の御堂が、幼馴染(♂)の日浦にメイクをしたら、とんでもない美少女が誕生してしまい…?キラキラした恋心には、もはや性別なんて関係ないことをこれからも証明し続けてくれることでしょう。ぜひ、価値観を塗り替えられちゃってください。