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BTS、売り切れ続出のオリジナルグッズ制作の裏側 JIMIN、J-HOPE、JUNG KOOKの溢れ出る個性

2022年01月30日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

BTS「Permission to Dance」

 BTSメンバーが企画から手掛けたコレクション『ARTIST-MADE COLLECTION BY BTS』がついに勢揃いした。これまでJIN(パジャマ・枕)、RM(ジョガーパンツ・風鈴)、V(ボストンバッグ・ブローチセット)、SUGA(ギターピックネックレス・ノート&カバーセット)と、実に個性豊かなラインナップが続いてきたこのプロジェクト。


(関連:BTS Vの感性が爆発、SUGAは実用性を追求 完売続出のオリジナルグッズへのこだわり


 「自分でほしかった」というメンバーの願いもありつつ、「ARMY(ファン)と一緒に使いたい」という想いを叶えたアイテムばかりで、そのこだわり一つひとつに彼ららしさを感じられるのも嬉しい。ではJIMIN、J-HOPE、JUNG KOOKはどんなアイテムをプロデュースしたのだろうか。V LIVEにアップされた、通販番組風に紹介する“SHOW”動画および制作背景が記録された“Making-of Log”動画をもとに振り返る。


■「いつも君と一緒だよ」をロマンチックに形にしたJIMIN


 JIMINが企画したのは、日頃から彼が愛用しているというフーディーとピアスだ。部屋でくつろぐときにも外出するときにも着ることができるスッキリとしたフーディーは、ARMYにはおなじみの「I PURPLE YOU(ボラへ=紫するよ/相手を信じてお互いに末永く愛し合おう)」にちなんだ上品な紫色だ。


 このカラーをセレクトするのも、文字通り頭を抱えて悩んだ様子がメイキング動画に記録されている。「かわいいか、クールか……」と迷った末にJIMINが選択したのは、かわいさと元気なイメージが湧くパープルの生地にマスタードイエローの文字をあしらったデザインだった。ステージではクールなパフォーマンスを見せてくれるJIMINだが、バラエティ番組などではキュートな素振りも多いことを考えるとJIMINらしい納得のチョイスといえる。


 また胸元に綴られた「YOU」は、背面に施されたプリントと合わせると「YOU NEVER WALK ALONE」になる仕掛け。さらにフードをかぶると「SEVEN WITH YOU」の文字も。「このフレーズ1つで“君と一緒だよ“ということを伝えられるわけです」とデザインに込めた思いを聞くほど、JIMINのロマンチックな性格を改めて感じることができる。


 加えて、「僕たちだけにわかるなにか……」と紐の先にあしらった「13」の数字は、JIMINの誕生日(10月13日)とBTSのデビュー年(2013年)にかかったもの。様々な意味が込められた大事な数字だと説明する。


 この「13」は、ピアスにも小さく刻まれているのが微笑ましい。また、シンプルなリングタイプに見えるピアスも、バーガンディのあしらいが他にはない個性を感じさせる。ちなみに、2重になっているデザインはJIMINが日頃ピアスを2個使いすることもあるというおしゃれテクニックから生まれたアイデア。JIMINのファッションへのこだわりの強さを知れたことで、今後ますますJIMINの耳元にも注目せずにはいられない。


■「いつでも思い出して」希望を与え続けるJ-HOPE


 J-HOPEは、「サイド・バイ・サイドミニバッグ(略してサバサミニバッグ)」と斬新なネーミングのミニバッグと、「ホープポットセット」とこちらも新鮮さを感じるミニ植木鉢(4つセット)をプロデュース。Instagramの個人アカウントでもがたくさん写真を撮っていることが窺えるJ-HOPEが愛用するカメラバッグのように、コンパクトでありながら実用性の高いアイテムを日常で使いやすいデザインにしてくれたようだ。


 最大の特徴は一つひとつ風合いの異なる染柄であること。まるで同じ振り付けでもJ-HOPEが踊ると全く違うものに見えるかのように、同じアイテムだとしても世界でたった1つしかないユニークさを楽しむことができる。


 また、フロントポケット部分にバッジなどをつけ、カスタマイズして楽しむのもおすすめの使い方だという。使いやすいデザインとアレンジを楽しむという、J-HOPEの自由な心が垣間見えるミニバッグといえそうだ。


 そして「H」「O(ハート)」「P」「E」と緑のモチーフが並ぶポットたちは、観るたびに頬が緩んでしまいそうなキュートさ。鉢の部分も、一見するとシンプルでシックなコンクリートのように見えるが、「咲く時はバラのように」「舞う時は桜のように」「散る時は朝顔のように」「美しいその瞬間のように」と、J-HOPEの直筆で「Magic Shop」の一節が刻まれている。


 殺伐とした日々の中でも、J-HOPEの笑顔と力強く歌い訴えかけるフレーズを思い出させてくれるアイテムではないか。いつもARMYにHOPEを届けようというJ-HOPEらしさが、ギュッと詰まっているのを感じさせる仕上がりだ。


■自分自身を解き放つ時間を届けたJUNG KOOK


 そして最後に発表したのは、末っ子のJUNG KOOKだ。JUNG KOOKがプロデュースしたのは、JIMINと同じくフーディーなのだが、同じジャンルのアイテムだからこそ、よりそれぞれの魅力が際立つ形になったのも面白い。


 「いつも一緒にいるよ」と安心と安定で包み込むJIMINのフーディーに対して、JUNG KOOKはむしろ「いつもの自分とは違う少し荒々しい内面を出したい」という人が持つアンバランスな部分を解き放ってくれるイメージだ。


 袖や裾にはダメージ加工が施され、丈は左右アシンメトリーにして遊び心をプラス。背中と胸元にはグラフィティスタイルのロゴを配置。このロゴも「ARTIST」と「ARMY」をかけ合わせて「ARMYST」と、JUNG KOOKがオリジナルのものをデザインした。ARMY一人ひとりも、自分自身の人生を創造するアーティストなのだと背中を押してくれるような感覚だ。


 対して、“見せたい自分“を演出したあとは、自分自身をリセットする時間も必要である。そんな夜のひとときに、JUNG KOOKが提案するのがムードランプだ。色鮮やかな光が部屋の中を照らし、小宇宙を演出。さらに、スピーカーにもなっていることから、BTSのお気に入りの曲を流すことができるというからぬかりない。


 このムードランプについては制作段階で、宇宙の広がり、星のきらめき、ARMYロゴのあしらい方、騒音の有無への要望……を語り尽くしたからか、Show動画では「はい、終わりにしましょう」とかなりあっさり終えようとしたJUNG KOOK。これには、RMやVから「ムードランプを紹介してよ」「もう少し詳しく!」と促される、兄たちと末っ子らしいやりとりも。これもランプによってJUNG KOOKの飾らない部分が出た結果といったところだろうか。


 7人が約12カ月間かけて創り上げたこだわりの品々だけに、『ARTIST-MADE COLLECTION BY BTS』は発売されるやいなや即完売となる人気ぶり。1月25日からは2次予約販売が決定したものの、やはりすぐに「品切れ」の表示になってしまった。それだけ彼らの愛情と希望と願いが込められたアイテムは魅力的だった。また今後も、彼らの想いと熱がこもったアイテムをプロデュースする機会がやってくることを楽しみにしている。(佐藤結衣)