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King & Princeメンバー分析 第2回:永瀬廉、俳優としても評価されるまっすぐな姿勢 仲間を想う愛情深い心の持ち主

2022年01月28日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

King & Prince

 冠番組『King & Princeる。』(日本テレビ系)のレギュラー放送がスタートし、2022年も早々に勢いに乗るKing & Prince。彼らの魅力について、三者三様の個性をふまえつつまとめてみたい。第2回は、先日23歳の誕生日を迎えた永瀬廉。


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 昨年、この名前を聞いた者も多かったのではないだろうか。第44回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞にはじまり、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』での好演と、「King & Prince 永瀬廉」の名が一気に知れ渡った1年だった。


 正直なところ、永瀬が演技というフィールドでこれほど早く名を馳せるとは想像していなかった。しかし映画『弱虫ペダル』の三木康一郎監督しかり(※1)、映画『真夜中乙女戦争』の二宮健監督しかり(※2)、とにかく一生懸命で素直、擦れていないと、まず役者としての姿勢を高く評価した。これは、永瀬自身が掴み取った信頼であり、こうした向き合い方あっての著しい成長なのだろうと思う。


 昨年末に行われた『第72回NHK紅白歌合戦』の囲み取材では、メンバーの髙橋海人が、ライブの休憩中にも休まずに『おかえりモネ』の方言の練習をしていたことなど、知られざる永瀬の姿を明かした(※3)。自らは努力や苦労を語らない永瀬に、先述した監督らの言葉が重なる。その上で、二宮監督が語った「自然に物語を背負える」(※4)という永瀬評には頷くばかり。筆者も物書きの端くれとして、永瀬を見ているとどうにも何か語りたくなるのだが、そのわけが分かった気がした。それでいて、言語化が実に難しい人物でもある。


 永瀬のなかには、大人であろうとする青年と、無邪気なままの少年が同居している。儚さと芯の強さ、アイドルとしての煌めきとほんの少しの影、さまざまなアンビバレンスが両立する点こそ、永瀬が人を惹きつけてやまない理由ではないだろうか。King & Princeの楽曲に、色気とアイドル性をプラスする歌声もその一つ。柔らかな甘い声は、彼らの楽曲に瑞々しさを、それと同時に不思議な哀愁をもたらす。永瀬の声は、もちろん役者としても活きる大きな武器だ。


 初見では飄々とした若者に映るかもしれないが、心は熱く、人想い。だからこそ、「人間」を魅力的に演じられるのかもしれない。かつて『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ)にて、長く活動をともにしてきたジャニーズWESTのデビューに際し、手紙を読みあげたときのことは印象に残っている。涙を見せるのは恥ずかしい年頃なのか、言葉に詰まりながらも何でもないような振りをして、声を絞り出していた永瀬。しかし最後には、隣に座っていた大西流星(現・なにわ男子)の服をつまみ、あふれる涙を拭っていた。


 さらに永瀬には、2人の大切な同期がいる。なにわ男子の西畑大吾、そしてAぇ! groupの正門良規だ。ジャニーズでは、活動拠点の変化やデビューなど環境が変われば、互いに名前を出す機会が少なくなるのも珍しくない。それも一つの愛情であり、配慮の形だからだ。しかし永瀬は、“変わらない”という愛情を選ぶ。会見でもインタビューでも、しょっちゅう2人の名前を出し、エピソードとともに彼らへのまっすぐな想いを語る。先述した『まいジャニ』メンバーについても、つい先日雑誌のインタビューで触れていた。決してサービストークではなく、ごく自然に話していることは、永瀬を見てきた人なら分かるはずだ。


 連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)では、地元の友人らとお好み焼きを食べているシーンが映し出されていた。ラジオでは、きわめてラフに大学の友人の話をする。そして、それら大切な場所や人には迷惑をかけないでほしいと、自身の言葉でお願いしていた(※5)。永瀬は、23歳の「普通の感性」を持っている。当たり前のことを当たり前として言える、言葉にすることを恐れない人だ。トップアイドルでありながら「普通」を見失わずにいるのは、そう簡単なことではない。これは永瀬の大きな魅力であり、変わらないでいてほしいところでもある。


 青春のすべてを投げ打って夢を掴む、悲しいかな、それがアイドルの常だ。永瀬にも、きっと犠牲にした時間はあっただろう。しかし永瀬はいま、King & Princeとして日々めいっぱい、にぎやかな青春を過ごしているのではないだろうか。大きな口を開けて無邪気に笑い、嬉しそうにメンバーの名を呼ぶ姿を見ては、そんなふうに思う。どれほど個人で結果を残しても「King & Princeの永瀬廉」だと名乗り、メンバーを誇り、ファンに会えるライブを楽しみにしている。そういうところがまた、“らしい”のだ。


※1:https://www.cinematoday.jp/news/N0117645
※2、4:https://otocoto.jp/interview/ikenobe169/
※3:https://realsound.jp/2021/12/post-937556.html
※5:2020年8月20日放送『King & Prince 永瀬廉のRadioGARDEN』(文化放送)より


(新 亜希子)