1月23日にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権2022年第1戦デイトナ24時間(ロレックス24)の予選レースを制したアキュラ陣営のウェイン・テイラー・レーシング(WTR)。
チームは1月29~30日に開催される決勝で2021年からの連覇を狙うが、そのドライバーであるリッキー・テイラーは、今季2台のキャデラックDPi-V.Rへと体制を拡張したチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)の存在が、最も脅威となる可能性があると考えている。
テイラーはフィリペ・アルバカーキ、アレクサンダー・ロッシとともに、10号車アキュラARX-05でデイトナ2連覇へと挑む。昨年、このトリオに加わっていたエリオ・カストロネベスは同じアキュラ陣営内のマイヤー・シャンク・レーシングへ移籍しており、今回のレースではウィル・スティーブンスがWTRに加わる。
テイラーとアルバカーキが予選レースを担当して勝利を収めたものの、予選レースまでの3日間行われた公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』を通じてのキャデラックおよびアキュラのペースを鑑み、テイラーはその勝利が当然のことだったとは考えていない。
「ディフェンディング・ウイナーとしてここに戻ってくるのは、いつも最高だ」とテイラーはSportscar365に対し語っている。
「昨年は明らかに、(CGRの)01号車に不具合が起こるという、奇妙な状況での勝利だった。まさに危機一髪、というところだった」
「2022年になり、24時間にわたって再びその勝利にしがみつくことができるだろうか? ガナッシを倒すチャンスを得るには、さらなる開発と学習が必要だ。昨年は31号車(アクション・エクスプレス・レーシング/ウェーレン・エンジニアリング・レーシング)のキャデラックだって、問題が発生するまでは非常に手強く見えた」
「(予選レースは)良かったけど、まだやらなければならないことがあるように感じている。本当に難しいレースになるだろう」
「昨年のデイトナは、CGRにとって最初の(DPiの)レースだったから、彼らのような大きなチームはそこで多くのことを学び、進化したことだろう。昨シーズンをとおして彼らは速かったが、レースをまとめるのに苦労していた」
「いきなりこの世界に飛び込んで、これらの(デイトナのような)長距離レースを戦うのは難しいことだ。彼らはたくさんの課題を解決してきたと確信しているし、僕らが彼らを倒すためには、相手(の失敗)に頼っていてはダメだ。本当に難しいレースになるだろう」
2021年に3勝を挙げランキング2位となったWTRは、アキュラDPiで迎える2年目のシーズンに向け、より良い準備が整っていると感じている、という。
「僕らはかなりたくさんの情報と、いいスタート地点を手にしていた」とテイラーは2021年を振り返る。
「だが、チームは2021年を通して多くのことを学んだ」
「僕らは、ロレックス(デイトナ24時間)のために、ウィルをラインアップに加えた」
「チームは、彼らの仕事をしっかりやっている。24時間レースに向けた新たな“トリック”はないと思うけど、1年を通して学んだ少しばかりのディテールは手にしているし、それが重要な役目を果たすことを願っている」
チームメイトのアルバカーキは、マツダの撤退によりDPiクラスが2メーカーの争いとなったことで、BoP(性能調整)においてはアキュラとキャデラックのパフォーマンスがさらに接近するようになる、と考えている。
「ふたつのメーカーしか存在しないため、IMSAはパフォーマンスのバランスを取りやすくなると思う」とアルバカーキは話している。
「キャデラックはより強力なラインアップを持っているだけでなく、それは本当に良いクルマだし、運転するのがラクなクルマなんだ。僕はそれを知っている」
「マイヤー・シャンクも新たなドライバーによる素晴らしいラインアップになった。彼らとまた、競い合うことを予期している」
「昨年も言ったが、DPiにはたった7台のクルマしかいない。だが、その誰もが勝つことができる。ロア(テスト)では7位になったとしても、そのクルマが24時間レースに勝つチャンスもまた、同じようにあるんだ」