オミクロン株の感染拡大に伴って「休園」する保育所が増えている。厚生労働省によると、全面休園している保育所等は1月20日時点で全国327カ所に及んでいる。
子育てしながら働く親にとって、保育所から届く「休園のお知らせ」は悪夢だ。都内で会社員をしている30代男性のAさんは、2歳の娘が通う保育園からの通知を、こう振り返る。
「夜8時過ぎくらい、スマホに保育園からの通知が来て、終わった……と思いましたね」
「関係者」が陽性に……
男性が保育園から受け取った通知の内容は
(1)「保育園の関係者」にコロナ陽性者が出たので、数日間、休園する
(2)通っている子供が、濃厚接触者と判定される可能性がある
という趣旨だった。
コロナ関連の休園は、昨年来4回目。そのたびにストレスをためているという。
共働きのため、仕事の予定変更を余儀なくされたAさんは、「両親どちらが子供の面倒をみるにしても、どちらかの仕事が停滞する」とため息をつく。
突然、仕事が「完全ストップ」状態に
保育園に子どもを預けている親にとって、「子どもの発熱」で保育園から連絡があり、仕事が中断されることは日常茶飯事だ。ただ「コロナの疑いで休園」となると、その影響がどこまで続くのか不明となる。
都内でフリーランスとして働く40代男性Bさんは、請け負っている仕事を完全に中断するしかない状況に追い込まれた。
「妻の勤務先では、家族が濃厚接触者になった場合、出勤できないというルールがあります。しかし、妻の仕事は属人的な部分が大きく、テレワークできない業務もあるため、もし出勤停止になれば部署の仕事がすべて止まってしまう状態です。そのうえ、タイミングの悪いことに、2月に仕事上の大きな山場があったのです……」
「コロナの感染状況を見ると、いつ何時、子どもが『濃厚接触者』になってもおかしくない状況です。しかたなく2月半ばまで、私が仕事をストップして自宅で子どもの面倒をみることになりました」
妻からは「稼ぎが減っても大丈夫」と言われてはいるものの、世帯としては手痛い収入ダウン。Bさんはプレッシャーでストレスを感じているが、仕事をしたくても、朝から晩までほぼ身動きがとれない状況だという。
Bさんは「仕事自体は自宅でもできるのですが、子どもが寝てくれても即『仕事モード』に切り替えるのは至難の業。ただでさえコロナ禍で仕事がやりにくいのに、先行きの不透明さに焦りを感じます」と話していた。