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オーディブルが定額制へ、オリジナル作品出演で森川智之「声優冥利に尽きる」

2022年01月26日 20:14  コミックナタリー

コミックナタリー

左から杏、森川智之、今井翼、南沙良。
オーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービスのAudible(オーディブル)が、明日1月27日から“聴き放題”の定額制へ移行。本日1月26日に行われた「Amazonオーディブル 戦略発表会 2022」で発表された。

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Audibleの日本向けサービス開始は2015年。それ以来「声の力を最大限に解き放つ(Power Of Voice)」をコンセプトに、コンテンツの拡充が行われてきた。2021年にはAudibleの日本サービスで初となる、書籍よりも先に音声で届ける“オーディオファースト作品”の配信、ラジオ局とのオリジナルポッドキャスト制作への連携強化、書籍と同日発売の作品数拡大などを実施。昨年12月時点の会員数は、コイン制移行時の2018年8月と比較すると約4.5倍へと増加した。オーディオファースト作品の取り組みは今後、河出書房新社、幻冬舎、講談社、実業之日本社といった多くの出版社へと広げていく予定だ。

また「Amazonオーディブル 戦略発表会 2022」で、アメリカのDCコミックス刊行作品「The Sandman」の日本語音声版が、4月に配信されることが明らかに。「「The Sandman」の英語音声版は、オーディオ作品部門でニューヨークタイムズのベストセラーリストにも名を連ねた人気作。同作の日本語音声版は全20話で、森川智之が主人公のモルフェウス役、南沙良がデス役を演じ、今井翼がナレーションを務める。

本日の発表会には森川、南、今井が登壇。森川は「『The Sandman』のお話をいただいたとき、『役者冥利に尽きる』と思いました。実は声優という仕事の起源って、ラジオドラマなんです。そういう意味で、時代を重ねてAudibleという最新の技術を使ったオーディオドラマを作れる。その一端を担えるというのは、とても光栄に思いますし、うれしく感じました」と笑顔を見せる。さらに「(コロナ禍で)自分の時間が増えてきたじゃないですか。自分の教養を磨いたり娯楽を楽しんだりと、自分から貪欲に情報を取り入れる時代だからこそ、耳だけでいろいろ楽しめるのは素晴らしいと思います。僕自身も普段は車で移動しているのですが、車内でAudibleを楽しませてもらっています。手が塞がっていても楽しめるのがいいですよね」と語った。

女優・モデルとして活動する南にとって、声優の仕事はこの「The Sandman」日本語音声版が初めて。「普段は表情も含めて表現するんですけど、声だけでお芝居をするのが初めてだったので、新鮮な気持ちで演じました。一番難しかったのは、本国版の声優さんのセリフに尺を合わせることです」と南が言うと、森川も大きく肯く。「僕も難しいです。オーディオ作品なので映像はないんですけど、収録スタジオのモニターに(アメリカ版の)オリジナル音源を表す波形が出て、それに合わせて演技しなきゃいけない。これが技術的にすごく大変でした」と苦労を明かした。

そして会場には「The Sandman」日本語音声版の冒頭シーンが流れ、荘厳な音楽とともに今井のナレーションが響き渡る。今井は「僕は声のお仕事も大事にしているんです。今回は映像に合わせた吹き替えとは違って、片方の耳では原作の英語のセリフを聞いて、もう片方の耳で自分の声が聞こえて、モニターには波形があってと非常に難しくて。予定のスケジュールよりもだいぶ時間をかけてしまって、スタッフの皆さんに大変ご苦労をおかけしてしまいました。でも原作の世界観を丁寧にやりたいと思っているので、そういう気持ちでいま収録をさせていただいています」と思いを語った。今井のナレーションを、この会場で初めて聞いたと言う森川は「いや、ちょっと皆さんも聞きましたよね? 今井さんのナレーション、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか! 渋い声! 私、声優プロダクションの社長もやってるんですよ。なんかちょっとライバル出てきちゃったかな……。ずっと聞いていたい声」と絶賛し、今井を照れさせていた。

「The Sandman」という作品の魅力について質問が飛ぶと、森川は「ダークファンタジーの魅力に加え、少し考えさせられるような哲学的なストーリーが面白いんです。DCコミックスならではのワードやキャラクターが出たりと、DCファンの方も楽しめると思います。ネタバレにならない程度で主人公のモルフェウスを紹介すると、70年間囚われの身だった人(笑)。モルフェウスが裸一貫からスタートするダークファンタジーです」と冗談めかしながら答えた。今井は「非常にディープな、日本人にとってはなかなか日常からかけ離れた世界観なんです。でも、時代や世界関係なく人間が困難に直面したときの気持ちや精神世界といった深い面が描かれています」と作品の魅力を表現。南も「自分の頭の中に、すごく想像が膨らんで、情景が浮かぶんです。ワクワクした気持ちになれます」とアピールした。

「The Sandman」日本語音声版には、本日登壇した3人のほか、榎木淳弥、高乃麗、塩屋浩三、井上喜久子、八巻アンナ、日野聡らが出演。4月の本編配信に先がけ、明日1月27日に今井、森川、南のインタビューや本編の内容の一部が聴ける「Sandman Chapter 0」が配信される。

なお「Amazonオーディブル 戦略発表会 2022」では、杏のオリジナルポッドキャスト「Journey To The Origin With Anne」、村上春樹10作品のオーディオブック化プロジェクトなど、多彩なコンテンツの配信が発表された。