レーシングドライバー兼実業家の阿部光が、2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦『ロレックス24』(デイトナ24時間レース)に初参戦する。
1987年生まれの阿部はカートでキャリアを積んだ後、2008年にはフォーミュラ・チャレンジ・ジャパン(FCJ)へ参戦、スーパー耐久などの参戦経験も持つ。その後、自身のレース活動はいったん休止し、スーパーGTのグッドスマイル・レーシングで裏方としてチームを支えたほか、小林可夢偉のF1参戦に際してはアシスタントマネージャーとして活動をサポートした。
近年ではカート大会の運営などにも精力的に取り組みつつ、自らのキャリアも再開。2021年は日本のFIA-F4選手権にスポット参戦していた。
そんな阿部が、1月29~30日にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるデイトナ24時間に参戦することが決まった。LMP3クラスに、38号車パフォーマンス・テック・モータースポーツの4人のドライバーのひとりとして参戦する。
昨年シリーズに新設されたこのクラスには今回9台の車両がエントリーしており、阿部はすでに1月21~23日に行われた公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』において、公式セッションデビューを果たしている。
「この度、メインスポンサーのMIKI様、多くの仲間、そしてチームのみんなにチャンスを頂き、『2022 ROLEX 24 AT DAYTONA』に参戦させていただくことになりました」と阿部はリリースでコメントしている。
「機会を頂いたみなさまに深く感謝いたします。小林可夢偉選手、関口雄飛選手、小高一斗選手、金丸ユウ選手など、僕のチャレンジを支えてくれた先輩後輩にも多く支えられて実現できたものだと思っています。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます」
「昨年2021年にフロリダでチームと合流し、テストを行いました。多くの距離を走ることができ、マシンにも慣れて、パフォーマンスが上がり良いタイムが出せるようになってきています」
阿部はダン・ゴールドバーグ、ギャレット・グリスト、ニコ・ピノという3人のドライバーとチームを結成する。このなかで17歳のチリ人ドライバーであるピノと阿部は、IMSA初参戦だ。
「自分自身のキャリアとしても最高峰のレースとなり、難しいこともあるが、どのチームのドライバーもみんな負けない気持ちで臨んでいると思うので、ミスなく勝利に向かって取り組んでいきたいと思います」と阿部。
デイトナ24時間といえば古くから阿部と親交を持つ可夢偉が2019、2020年に最高峰クラスで連覇を果たしている。今回の出場にあたっては「可夢偉選手にもアドバイスを頂いてきた」という。
「あとは自分の中で予習・復習。 できることはやってレースウイークを楽しみに迎えたいと思います。今回はスポット参戦となりますが、今後モータースポーツでも改めてキャリアを積んで、可夢偉選手と一緒に走れるくらいまで自分を成長させたい」と阿部は意気込みを語っている。
なお、阿部のマネージャーを務めるのは元インディカー・ドライバーのロジャー安川氏だ。可夢偉や安川氏の助けを得ながら、初挑戦となるIMSAのビッグイベントでどんな活躍を見せるのか。LMP3クラスの戦いにも注目したい。