レッドブル・ジュニアチームに所属するユーリ・ビップスは、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコの監督下でレースをすることは、良いパフォーマンスを出している限りは「人々が考えているよりも容易なこと」だと語っている。
モータースポーツ界の最も有力な人物のひとりとして、マルコは長年に渡って若手ドライバーのキャリアを築いたり潰したりする影響力を持ってきた。実際、マルコはレッドブルの期待に届かなかったドライバ―を容赦なく解雇してきたのだ。
しかし、レッドブルの若手育成プログラムで結果を出して輝いたドライバーたちは、マルコの全面的な支援と、場合によってはF1へのフリーパスが期待できる。
エストニア出身のビップスは、2016年にイタリアF4選手権からモータースポーツ界のはしごを登り始め、翌年には同シリーズで優勝した。
その功績により、ビップスはレッドブルの若手育成プログラムに参加することができ、2018年にFIA-F3、そして2020年にFIA-F2に昇格していくために彼が必要としていたサポートを得ることができた。
ビップスは2021年のF2をランキング6位で終え、自身の実績に2度の優勝を付け加えた。また、彼はレッドブルで何度かF1テストに参加し、最近では12月にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたシーズン終了後の若手ドライバーテストに参加している。
マルコの監督下でのレースは義務が伴うが、これまでのところ“将来F1でレースをする”という21歳のビップスの夢は失われていない。
「彼(マルコ)はみんなが考えるよりも普通の人だよ」とビップスは『F1.com』に語った。
「彼はプレッシャーをかけてくるけれど、うまくやっているのならとても親切で率直だ。結果を出せば、すべてがうまくいく」
「レッドブル・ジュニアチームとはそういうものだ。うまくできなければ追い出されるかもしれないけれど、うまくやればF1に行ける」
ビップスは、結果を出せなかったレッドブル・ジュニアドライバーが残酷な運命に脅かされる可能性を否定しない。しかしビップスは、結果を出せない者を切り捨てることは彼の考えでは理にかなっているという。
「彼らは人を追い出す、そのとおりだ」とビップスは付け加えた。
「でも、F1に行く実力がないドライバーを残留させてまで給料を払いたいだろうか?」
「彼らは最高の才能だけを求めているし、それは正しいアプローチだと思う。彼らは最高の人材だけを手元に置いてチャンスを与えるんだ」
2022年、ビップスはふたたびハイテックGPとともにF2で2度目のシーズンを戦う。