スーパーGT、全日本スーパーフォーミュラ選手権という国内両トップカテゴリーでシリーズチャンピオンを獲得し、現在はABBフォーミュラE世界選手権に参戦しているニック・キャシディが、2022年にWEC世界耐久選手権デビューを果たす。
エンビジョン・レーシング・フォーミュラEチームでロビン・フラインスとチームを組んでいる彼は、並行して参戦することになったWECにおいて、フェラーリのセミワークスチームであるAFコルセに加わり、LMGTEアマクラスを戦う54号車フェラーリ488 GTE Evoをドライブする。
チームメイトはフランチェスコ・カステラッチとジェントルマンドライバーのトーマス・フロー。キャシディは、元F1ドライバーであるジャンカルロ・フィジケラと交代するかたちで同チームに参加することになった。
なおキャシディは2021年に、同年からGT3カーで争われることになったDTMドイツ・ツーリングカー選手権の最終戦ノリスリンクにAFコルセから出場。今季F1に復帰するアレクサンダー・アルボンの代役として、同ラウンドでアルファタウリカラーのフェラーリ488 GT3 Evoをドライブしている。
27歳のニュージランド人は、「フェラーリ、AFコルセ、トーマス・フロー、フランチェスコ・カステラッチ、彼らとともに世界耐久選手権に参加できることを、とてもうれしく光栄に思う」とInstagram(@nickcassidy_)にコメントを載せた。
「素晴らしいパートナーとの素晴らしいレースを楽しみにしている」
キャシディは2021年のル・マン24時間レースにおいて、ヘイキ・コバライネンとともにLMGTEプロチームであるハブオート・レーシングからシリーズデビューを果たす予定だった。しかしル・マンのテストデーと、日程が変更されたフォーミュラEのレースデーが重なったため、この計画は実現に至らなかった。
なお、2022年のカレンダーでも6月4日開催の第9戦ジャカルタE-Prixがテストデーと重複している。このことはル・マン参戦に事前テストへの出席することが求められる、ゴールドランクドライバーである彼にとって懸念材料のひとつだ。
AFコルセは、今シーズンもGTEアマクラスで3台のフェラーリ488 GTE Evoを走らせるが、チェティラー・レーシングがIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のシリーズ内カップ、IMSAミシュラン・エンデュランスカップ(IMEC)にプログラムを移行するのと同時に、現GTEアマクラスチャンピオンのフランソワ・ペロードがLMP2カテゴリーに戻るため、キャシディが加わった54号車が唯一の残留組となった。
ピエール・ラゲとWEC初参戦となるフランク・デゾトゥのコンビは、以前までフェラーリのワークスカーに使用されていたゼッケンナンバー「71」を用い、スピリット・オプ・レースのバナーの下でレースに参加する。
一方、AFコルセのもう1台は21号車となり、このフェラーリはトニ・バイランダーとシモン・マン、クリストフ・ウルリッヒの3名によってドライブされる予定だ。
フェラーリは先週、ミゲル・モリーナ、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドとともに、2022年のGTEプロ・ラインアップにアントニオ・フォコを加えることを発表している。