WEC世界耐久選手権CEOのフレデリック・ルキアンによれば、プジョーが現在開発中の新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)『9X8』は、2022年のWEC第3戦として予定されているル・マン24時間のグリッドを保証するために、ル・マン前に少なくとも1レースに出場する必要があるという。
2021年12月にシェイクダウンした9X8について、プジョーはいつレースデビューを飾るのかをまだ発表していない。陣営は、厳しいスケジュールに直面しているものとみられる。
1月12日に39台からなるシリーズエントリーリストが公開されたあと、ルキアンは、プジョーがル・マンにエントリーする場合には事前にWECのレースに参加する必要があると述べた。2台のプジョー9X8は、車両がホモロゲーションプロセスを完了することを条件として、シーズンエントリーリストに記載されている。
2022年のWECは3月にアメリカ・フロリダ州のセブリングで開幕を迎えるが、プジョーのデビューは第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース(5月7日決勝)にずれ込む可能性がある。
「彼らは、(ル・マン前に、少なくとも)ひとつのイベントでレースしなければならない」とルキアンは述べた。
「したがって我々は、彼らがスパ・フランコルシャンに登場することを予期している」
「私はプジョーのスタッフではないので、セブリングの準備ができているかどうかは、彼らに直接尋ねた方がいい」
「私が思うに、セブリングに参加するのは極めて、極めて難しい。セブリングで彼らに会えるかどうかは分からないが、その後には登場する。だが、私はプジョーで働いているわけではない(ので、たしかなことは言えない)」
ル・マンの前に少なくともひとつのレースに参加するというプジョーへの要件は、BoP(性能調整)のために必要である、とルキアンは付け加えている。
プジョーの9X8は、2022年のル・マン24時間において、トヨタのGR010ハイブリッドおよびグリッケンハウスのLMH、そしてアルピーヌ・エルフ・チームのノンハイブリッドLMP1マシンと、ハイパーカー・クラスを争うことになる。
「ル・マンを行う前に、プジョーのクルマがレースをする様を目にする必要がある」とルキアン。
「これは純粋にBoPの問題であり、分析のためのデータを得ることが必要になる。したがって、これはスポーティング面の問題だ。商用面の話ではない」
現在のところプジョーからの情報アップデートは、2021年12月、ロールアウトを行った際、リヤエンドが変更されていることを示唆するティーザー画像のリリースが最後となっている。